篠原金融塾 グローバルマーケットウィークリー 11/7/2025
- 篠原竜一

- 11月9日
- 読了時間: 3分
アメリカの空・政治が混乱しそうだ。
政府機関の閉鎖が続けば、空港の運航便削減を全体の15%か、場合によっては20%に引き上げる可能性がある。閉鎖が比較的早期に終了しなければ、その結果、より多くの管制官が欠勤するとのことだ。
また、4日に投開票されたニューヨークの市長選挙は、民主党候補マムダニ氏(34)が当選した。マムダニ氏は、アメリカ最大のニューヨーク市の市長としては、過去100年以上で最も若い人物となる。南アジア系の人物として、そしてイスラム教徒としても初めてこの役職に就くことにもなり、歴史的な選挙結果となった。民主社会主義者を自称するマブダニ氏だが、インド出身の政治学者マフムード・マムダニ教授と映画監督ミラ・ナイル氏を両親に持ち、アフリカのウガンダで生まれ、7歳からニューヨークで育ったとのことだ。民主党支持者が多い東海岸だが、それにしてもリベラルだ。
加えて、ヴァージニア州でもこの日、知事選が行われ、民主党候補のスパンバーガー氏が勝利し、ヴァージニア州初の女性知事が誕生する。ニュージャージー州の知事選でも、やはり民主党候補のシェリル連邦下院議員が勝利した。
不動産市場からも気になる話が入ってきた。米投資会社ブラックストーンが高齢者住宅向けの18億ドル(約2,756億円)の大型投資案件の清算を進めていると報道されている。ブラックストーンは米国各地で個別取引を通じて、約9,000ユニットの高齢者住宅ポートフォリオを売却。割安物件を購入、バリューアップして、売却するという戦略がうまくいかなかったようだ。
多くのベビーブーマー世代が80代に達し、自宅で安全に暮らすことができなくなる中で、高齢者向け住宅事業は引き続き魅力的な市場だと思われるが、ブラックストーンは、高齢者住宅セクター全体が新型コロナ流行中に大きな損失を被ったが、ファンドの一部であり、このファンド自体は他では好調なパフォーマンスを示したため、投資家の資本はほぼ倍増と説明しており、大きな問題はなさそうだが、気になる話だ。
そんな中、アメリカの11月の消費者信頼感指数(速報値)は50.3と、10月の53.6から大幅に悪化した。持続的な物価上昇と、長期化する政府機関の閉鎖が消費者心理を圧迫している。
何度も言ってきたようにAIは生産性を押し上げ、世界経済を押し上げてきたし、これからも押し上げていくだろう。
しかしながら、アメリカでは、政治的な混乱が経済に波及してきているようであり、日本では、政治とカネの話が落ち着かない。
株式市場は、「責任ある積極財政」と「物価高対策」を好感し、高市相場で盛り上がっているが、問題山積だ。ガソリン税・軽油税の旧暫定税率の廃止、診療報酬・介護報酬の引き上げ、中小企業・農林水産業への支援、冬季の電気・ガス料金支援に加え、所得税の基礎控除を物価連動で引上げ、消費税の軽減などの議論がどうなっていくのか、国会の動向を注目したい。

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