篠原金融塾 グローバルマーケットウィークリー 11/06/2026
3日の米中間選挙で、民主党が上下両院の過半数を奪還した。上院ではカンザス、アイオワ、テキサス、オハイオ、メインなどで議席を獲得、選挙前の「共和53対民主47」をひっくり返した。トランプ政権の残り2年は、大統領と議会多数派が異なる「ねじれ」で進むことになる。
選挙翌日の4日、ダウは1,569ドル(3.0%)上昇、歓迎ムードだった。空気が一変したのは翌5日だ。民主党が議会を握ればAIデータセンターの建設に規制がかかる、そうした警戒が一気に広がり、ナスダックは5.5%安の24,315。S&P500は4.4%安、ダウも3.4%安と全面安になった。金曜日は半導体株に買い戻しが入ったが、10月の雇用統計は+16.5万人と予想(5.9万人)を大きく上回り、金利が上昇。12月の利上げ観測という新たな重しが加わることになった。
日本株のダメージはアメリカよりはるかに深い。日経平均は選挙前の2日に63,081円だったが、6日には57,434.77円まで下落。週間で5,855円(9.25%)安という歴史的な下げとなった。
現時点では「AI相場の調整」と見るのが妥当だと思われるが、民主党指導部の発言やAIデータセンター規制が具体的に動き出すかどうかがポイントとなるだろう。
そんな中発表された10月の米雇用統計は、雇用者数(16.5万人)、失業率(4.1%)、平均時給(3.1%)のすべてが予想を上回る内容となり、12月の利上げ観測が強まっている。インフレ次第では、来年1〜3月の追加利上げもありうる状況だ。
中間選挙後のグローバルマーケットは、「AI規制への懸念」と「アメリカの利上げ観測」という2つの逆風を同時に受けている。来週発表のCPIでインフレの再加速が確認されれば、利上げがほぼ確実になり、株価への下押し圧力がさらに強まる可能性がでてきている。
日銀は、10月会合で基調的な物価上昇率が「2%目標とおおむね整合的」と初めて認めたにもかかわらず、金融政策を据え置いた。連邦準備制度(FRB)が政策金利を据え置いたことで、円安を止めるチャンスが来たのに、日銀はそのチャンスを自ら放棄したというのは言い過ぎかもしれないが、アメリカの利上げ観測で円安圧力が強まるだろう。日銀は12月の利上げを行わざるを得ないかもしれない。しかしながら、円安を止めるために利上げすれば株安を加速させかねず、株価に配慮して見送れば円安が進む。
加えて、政府は「脱リフレ」と言いながら、減税で財政を拡張しようとしている。この矛盾を埋める役割が日銀に回ってきている。弱みを見せれば、マーケットは容赦なく攻撃してくるものだ。株安を受け、足許は日本国債は買われているが、円安・株安・日本国債安のシナリオを頭に入れておいた方が良いのかもしれない。

株式会社ランプライターコンサルティングは、当サイトに掲載している情報の正確性について万全を期しておりますが、その内容について保証するものではありません。当サイトでは、信頼できる情報源から得た情報を、確実に掲載するようあらゆる努力をしておりますが、株式会社ランプライターコンサルティングは、間違い、情報の欠落、あるいは、掲載されている情報の使用に起因して生じる結果に対して一切の責任を負わないものとします。当サイトに掲載されている全ての情報は、その時点の情報が掲載されており、完全性、正確性、時間の経過、あるいは、情報の使用に起因して生じる結果について一切の責任を負わないものとします。また、あらゆる種類の保証、それが明示されているか示唆されているかにかかわらず、また業務遂行、商品性、あるいは特定の目的への適合性への保証、また、これらに限定されない保証も含め、いかなることも保証するものではありません。





コメント