篠原金融塾 グローバルマーケットウィークリー 10/22/2021

9月のFOMCでは、インフレ率の上昇と需要の強さを背景に毎月1,200億ドル(約13兆6000億円)規模の米国債・モーゲージ債購入の縮小を始める方法について議論された。FRBは、月800億ドルの米国債購入額を月100億ドルずつ減らし、400億ドルのモーゲージ債の購入額については月50億ドルずつ削減する方向で議論された。いよいよ金融政策正常化の一歩が始まる。


米国債券市場では、11月からは毎月米国債の買いは100億ドル、モーゲージ債の買いは50億ドル減少する。これだけで市場の値動きが決まるわけではないが、新型コロナウイルスの流行が落ち着く中でインフレ圧力が弱まるとの見方が怪しくなってきた中でのテーパリングは更なる金利上昇要因になる。


パウエルFRB議長は、供給面(サプライチェーン)の制約は悪化しており、インフレ圧力の持続を家計や企業が予想していることを示すシグナルを注視していく考えを示したが、その対応はなかなか難しい。インフレ圧力が持続するという家計にとっては可処分所得に影響が出るのはこれからで、価格転嫁が出来ない企業にとっても苦しいのはこれからだ。インフレ退治を優先すれば景気に悪影響を与えてしまうかもしれないが、放置して良いこともない。


斯かる状況下、日本では衆議院議員総選挙が10月31日に予定されている。自民党議席は減る可能性が高いものの、連立与党の公明党とともに過半数(233議席以上)の議席は維持するというのが現時点でのコンセンサスだろう。


自民党は、「数十兆円規模の経済対策」で、現金給付も視野に、コロナ禍で傷ついた個人や事業者への手厚い支援、公明党は0~18歳に一律10万円を給付する方針を打ち出している。立憲民主党は、年収1千万円までの個人を対象に、所得税を一時的に実質免除、消費税の時限的な引き下げを主張している。


緊急時に財政政策を発動し対応することは必要だろう。しかしながら、国全体で「稼いだ富」を分配する「財源」をどこから持ってくるのか?残念ながら、現金を給付すると、個人の預金残高が積み上がり、国の借金も積み上がるだけだ。民間が「稼ぐ力」をつける以外に解決方法はないと私は思う。失われた30年を40年にしないためには、「新しい価値を提供し、様々な課題の解決を通じて稼ぐ」ことにチャレンジする人、企業を支援することこそが正しいお金の使い方なのではないだろうか? 


世界ではインフレ率の上昇が懸念される中、アメリカの中央銀行はいよいよ金融政策の正常化に着手する。一方、日本では「ばらまき」と言われても仕方がないような財政政策が実施されようとしている。財源は国債発行?一旦市中消化された日本国債を日銀が購入する。


今の世の中の仕組みを考えると高度成長期のようなインフレ率の上昇を日本では心配する必要はないと思っている人が殆どだろう。各党の政策を聞いている限り、政治家にもインフレを心配している人はいないだろう。だからこそ気になる。金利は更に上がるような気がしてならない。





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