top of page

篠原金融塾 グローバルマーケットウィークリー 9/26/2025

米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は23日、ロードアイランド州プロビデンスで講演し、FRBがインフレの低位安定と健全な労働市場の促進という二つの使命を果たす上で課題に直面していると述べた。


少し難しい表現だが、パウエル議長は、両面のリスクがあるということは、リスクのない道筋が存在しないということだと語った。簡単に言うと、よくわからないということだろう。


引き締め的な政策スタンスを維持する期間が長過ぎた場合、労働市場を軟化させてしまう恐れがある一方で、利下げの規模とペースが行き過ぎた場合、物価上昇率が2%よりもはるかに高い水準で推移してしまう可能性があるということだ。


FRBが非常に難しいかじ取りを求められている中、やはり、スティーブン・ミラン氏の主張が気になる。「関税政策と通貨調整による米国製造業の再興」という論文でのミラン氏の主張は以下の通り。


アメリカ製造業の衰退は、過度なドル高と自由貿易の副作用によるものであり、関税政策はインフレを引き起こさず、むしろ財政収入と産業保護に寄与するものだ。ドル安誘導は、関税と連携させることで効果的に機能する。従って、関税引き下げと引き換えに通貨協定を締結する外交戦略が効果的である。


また、こんなことも言っている。アメリカの再工業化は、補助金頼みでは持続性がない。通貨・関税・規制改革を通じてこそ、

構造的に産業を再建することが出来る。金利政策については、移民政策の変化により人口増加率が鈍化すると中立金利も低下する。


ミラン氏の考えに同調するエコノミストは殆どいないと理解しているが、やはり気になる。


彼の主張が正しいとすれば、金融政策は引き締めすぎであり、関税政策が一時的なもので終わることはない。移民政策の強化で人口増加率の低下を背景に潜在成長率が鈍化、アメリカ経済は今よりもドル安、金利が低い状況を求められているのかもしれない。


やっぱりこの人の主張が気になる。グローバリゼーションが進展する中、移民を含め、自由化を進め、その結果国内産業の空洞化を招いたものの、金融・イノベーションの力で資本を集め、成長してきた国がこれからどこを目指すのか?


大きな青写真を提示したミラン氏。これからも彼の発言には注目する必要がある。

ree

株式会社ランプライターコンサルティングは、当サイトに掲載している情報の正確性について万全を期しておりますが、その内容について保証するものではありません。当サイトでは、信頼できる情報源から得た情報を、確実に掲載するようあらゆる努力をしておりますが、株式会社ランプライターコンサルティングは、間違い、情報の欠落、あるいは、掲載されている情報の使用に起因して生じる結果に対して一切の責任を負わないものとします。当サイトに掲載されている全ての情報は、その時点の情報が掲載されており、完全性、正確性、時間の経過、あるいは、情報の使用に起因して生じる結果について一切の責任を負わないものとします。また、あらゆる種類の保証、それが明示されているか示唆されているかにかかわらず、また業務遂行、商品性、あるいは特定の目的への適合性への保証、また、これらに限定されない保証も含め、いかなることも保証するものではありません。

コメント


会社ロゴ.gif
株式会社ランプライターコンサルティング
〒107-0062 東京都港区南青山2-2-15 ウィン青山942

info@lamplightercstg.com

© 2024 Lamplighter Consulting Inc.

All Rights Reserved.

bottom of page