篠原金融塾 グローバルマーケットウィークリー 9/19/2025
- 篠原竜一

- 2025年9月21日
- 読了時間: 4分
世界陸上が凄く盛り上がっている。オリンピックとは異なり、日本人選手が出場しない競技も放送してくれる。やはり世界トップレベルの選手たちが繰り広げる戦いは純粋に面白い。
織田裕二氏がスペシャルアンバサダーとして連日登場し、競技の魅力や会場の熱気を全力で伝えてくれている。最高だ。また、石井大裕アナウンサーも存在感抜群だ。特に印象的だったのが、村竹ラシッド選手とのインタビューだ。110mハードルを終えた村竹選手に寄り添いながら、その努力や葛藤への深いリスペクトが込められていて、言葉を丁寧に引き出す石井大裕アナウンサーの姿はとても素敵だった。
棒高跳びのデュプランティス選手が6m30の世界新記録で金メダルを獲得したことが、大きな話題となったが、このデュプランティス選手が2024年にエキジビションで100mmを走ったことがある。その時の記録はなんと10秒37。今回の世界陸上では予選敗退の記録だが、それでも短距離の選手ではないのに物凄く速い記録だ。MLBの大谷選手が大好きだと公言、日本人のファンもますます増えただろう。
さて、先週のグローバルマーケットだが、その最大の注目は、連邦公開市場委員会(FOMC)だった。
アメリカ政府は、COVID-19に対応するために約11兆ドルの財政支出を実施、連邦準備制度(FRB)は4.5兆ドル以上の国債、モーゲージ債を購入し、金融システムに巨大な流動性を供給してきた。この過剰流動性が景気を支え、企業経営は安定するとともに、インフレ率が大きく上昇することとなった。その結果、現在のアメリカの財政赤字は、約2兆ドル、GDPの約6%に相当する。
グローバリゼーションの中心的な役割を果たしてきたアメリカの貿易赤字は、約1兆ドル、GDPの約3%に相当する。アメリカの債務残高は約35兆億ドル、対GDP比で100%を超えている。所謂、双子の赤字は深刻だ。
大きな双子の赤字は持続可能ではなく、早急に対処する必要があるというのが、トランプ政権の基本的な考え方であり、異論はない。
財政赤字の削減については、イーロン・マスク氏、貿易赤字の削減については、米大統領経済諮問委員会(CEA)のスティーブン・ミラン委員長が中心となって政策を実行してきた。
マスク氏は、政権の一員として財政赤字の削減を実現するためにリストラを実施しているが、ミラン氏の規制緩和や減税を通じて、アメリカ製造業の大復活と共に個人消費を押し上げるという長期的なゴールには同意しているものと思われるが、保護主義には反対の立場をとる。
このミラン氏が2025年8月にFRB(連邦準備制度理事会)理事に指名された。先週開催されたFOMCで、ミラン理事は早速その存在感を示した。
FOMCは25bp(0.25%)の利下げを決定し、政策金利は、4.00〜4.25%に引き下げられた。その中で、ミラン理事は唯一の反対票を投じ、50bp(0.50%)の利下げを主張、年末までに1.25%の追加利下げが妥当とする見通しを示した。ミラン理事は、他の理事よりもはるかにハト派的なスタンスをとり、他の理事の2025年末の政策金利中央値が3.6%の中、ミラン氏は2.88%と大幅に下回る予測となっている。
国民からの支持を得た政治家が、未来のアメリカの青写真を描き、それを政策として実行に移しているというのが、今アメリカで起きていることだ。何もいけないことはしていないが、そのやり方があまりにも強引だ。その主人公は、アメリカに対する報復は絶対許さないと舞台の上で叫んできたが、自国の中央銀行に対しても同様のスタンスをとっている。
通常、アメリカの景気が減速する局面では、質への逃避の動きから、米国債が買われることが多いが、FRBが利下げを実施したにもかかわらず、米国債は売られる展開となった。
ミラン氏は、インフレ率の上昇は一時的なものだと主張しているが、今後のポイントは、アメリカ製品の国際競争力を高めるために、ドル安政策への大転換が実施されるか否かだろう。通貨政策はインフレ動向、アメリカへの投資、資本の流れに大きな影響を与えるはずである。
アメリカの製造業が大復活を遂げ、アメリカは大好況になるかもしれない。逆に大失敗に終わるかもしれない。大きな問題は、大失敗は比較的短期間で結果がわかるが、大成功を実感するには時間がかかるということだろう。

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