篠原金融塾 「人口減少下における日本の労働市場:ダイナミクスの変化とマクロ経済へのインプリケーション」グローバルマーケットウィークリー 8/29/2025
- 篠原竜一

- 2025年8月30日
- 読了時間: 3分
トランプ大統領は、バイデン前大統領が指名したクック米連邦準備制度理事会(FRB)理事について、住宅ローン申請書に不正な情報を記載したとされる問題に言及し、理事を解任すると述べた。今のところマーケットは大きく反応していない。
第2四半期GDP(改定値)は、年率+3.0%と速報値と変わらず。内訳を見ると、個人消費は、+1.4%と低水準、設備投資も▲15.6%と大幅減となっている。輸入は、第1四半期の反動で▲30.3%でGDPを大きく押し上げており、中身は良くない。
従って、利下げ期待が高まるのは当然だが、FRBの独立性を心配する投資家にとっては、嫌な感じだ。暴走する可能性のあるインフレを抑制するのではなく、景気に重点を置き、FRBが利下げに動くとすれば、2年物米国債は買われるが、30年債は売られる展開になり、イールドカーブは大きくスティープニングするかもしれない。
先週はパウエルFRB議長の講演を紹介したが、植田日本銀行総裁が、ジャクソンホール会合で、「人口減少下における日本の労働市場:ダイナミクスの変化とマクロ経済へのインプリケーション」というとても興味深い内容の講演を行った(【講演】植田総裁「人口減少下における日本の労働市場:ダイナミクスの変化とマクロ経済へのインプリケーション」(カンザスシティ連邦準備銀行主催シンポジウム・パネルセッション「転換期の労働市場の政策的含意」) : 日本銀行 Bank of Japan)。
「先行きを展望すると、大きな負の需要ショックが生じない限り、労働市場は引き締まった状況が続き、賃金には上昇圧力がかかり続けると見込まれます。この間、わが国の労働市場では、労働力率の高まり以外にも、構造変化が生じています。」と述べた。
そして、「1980年代に始まった人口動態の変化は、このところ、人手不足感の強まりと持続的な賃金上昇圧力をもたらしています。また、労働力率の上昇、労働市場の流動性の高まり、資本による労働代替の広がりを通じて、経済の供給サイドにも大きな影響を及ぼしています。こうした一連の動きは、労働市場の状況と賃金や物価との関係を複雑にするとみられます。日本銀行としては、今後の動向を丁寧にみていくとともに、経済の供給サイドで起きている変化に関する評価も踏まえたうえで、金融政策を運営していく方針です。」と締めくくった。
日本のみならず、先進国では労働需給が逼迫していると言って良いだろう。それも労働力人口が減少する中での逼迫だ。
なかなか日本人にはイメージしにくいかもしれないが、今後は、賃金主導でのインフレが起こりやすくなっている。ということは、日本銀行は、過剰流動性により支えられていた日本国債の金利も本格的な上昇はこれからかもしれない。

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