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篠原金融塾 グローバルマーケットウィークリー 7/25/2025

日米関税交渉で相互関税は15%に設定されることが明らかになったが、日本が合意に基づき5,500億ドル(約80兆円)を米国に投資するとも発表。さらに日本は「自動車やトラック、コメ、その他の農産物を含む貿易に向けて、国を開放する」ことになる。


関税交渉合意のニュースを受け、投資家は日本経済への打撃が懸念されていたほど深刻ではないとの見方から、日経平均株価は上値を試す展開となった。


そうはいっても15%の関税は確実に経済に影響を与えるわけであり、政治的な不確実性のひとつが排除されただけであることも忘れてはいけない。


20日に実施された日本の参議院選挙は、与党自民党と石破首相への不満を背景に与党が大きく議席を減らし、野党が躍進する結果となった。既成政党に対するドイツの「ドイツのための選択肢(AfD)」、イギリスの「リフォームUK」、そして何と言っても、トランプ米大統領のMAGA運動が大きく影響したと言って良いだろう。インフレや移民、エリート的存在への不満を源泉として参政党が獲得議席数で4位と躍進した。


昨年の衆議院選挙での与党惨敗後の石破首相の発言を思いだした。「自分は変わっていないが、自民党総裁となった以上、様々な意見がある中、自分の理想を押し通すことは出来ない」という趣旨の発言を行ったことだ。


まるでサラリーマンの中間管理職のような発言でびっくりしたことを覚えている。国民ではなく、自民党の国会議員を気にするなんて。石破首相が今まで一目置かれていたのは、理路整然としていて、無駄がなく、はっきりと自分の意見を発信していたからだと思うが、正直がっかりした。


今回の参議院選挙では、わかりにくい既成政党に対して、参政党が、投票率を約60%まで引き上げることに大きく貢献したことは間違いない。はっきり、わかりやい参政党に票が集まったのだろう。


右派政党と言えば、自由市場主義や小さな政府を掲げる保守主義をイメージするが、参政党は、子育て支援の拡大や減税を含む拡張的な財政政策を支持している。また、日本が食料輸入国であることを嘆き、2050年までに食料自給率を100%にすることを目標に掲げている。今後、具体的にどんな施策を提案していくかに注目したい。


気になるのは、参政党が移民の抑制、日本に住む外国人の権利制限を公約に掲げていることだ。日本の全人口約1億2000万人から見れば、外国人の比率は小さいものの、日本在住の外国人は、10年前の約2倍の170万人から、350万人に増加している。斯かる状況下、オーバーツーリズムや、不動産価格を押し上げている外国人の投資についても、規制を約束している。


規制内容にもよるが、自分たちにも手に入るように不動産価格が下がることは決して悪いことではないという雰囲気は非常に怖い。そんな都合の良い調整など起こらないものだ。現時点では潤沢な国内の投資資金が不動産市場に流入しているのかもしれないが、将来外国人投資家の資金を必要とする時に規制によって入ってこないことになるのは何としても避けるべきだと思うのは私だけだろうか?

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