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篠原金融塾 日本のこどもの数 グローバルマーケットウィークリー 5/8/2026

総務省(統計局)が公表した最新の「子どもの人口」(2026年4月1日現在)は、日本の少子化の深刻さを再確認する内容だ。子どもの数は過去最少を更新し、割合も史上最低という状況だ。

 

日本の「子どもの人口」がまた過去最少を更新したというニュースには誰も驚かなくなった。しかし、2026年の数字は深刻だ。総務省が公表した子どもの数は1,329万人、総人口に占める割合は10.8%。どちらも歴史的な最低水準で、しかも年齢が低い層ほど人数が少ないという「逆ピラミッド」が鮮明になっている。出生数の落ち込みがそのまま人口構造に刻まれ、未来の労働力、地域社会、そして経済の基盤が細っていく様子が数字に表れている。

 



この減少は、景気循環や一時的な政策の影響では説明できない。婚姻数の減少、都市部の生活コストの上昇、価値観の多様化、長期的な経済停滞が複雑に絡み合い、若い世代が子どもを持つことに慎重になっている。特に0〜2歳の人口が最も少ないという事実は、出生数の底割れが続いていることを示し、将来の学校、地域コミュニティ、企業の採用計画にまで影響を及ぼす。もうどうすることもできない。手遅れだ。

 

国立社会保障・人口問題研究所の将来人口推計によれば、日本の総人口は2070年に8,700万人前後まで減少し、そのうち15歳未満の子どもは約760万人と見込まれている。現在の1,329万人からほぼ半減する計算だ。2120年の推計では、日本の総人口は5,000万人台にまで縮小し、15歳未満の子どもの人口は400万人台に落ち込む。人口構造は完全に逆転し、社会保障、労働市場、地域経済のあらゆる前提が崩れる。

 

人口が減る社会は、必ずしも衰退する社会ではないという識者もいる。技術革新、働き方の多様化、地域の再編、外国人との共生など、社会の構造そのものを柔軟に変えていくことで、新しい成長の形を描くことは可能だという。人口減少という現実を直視し、そこから逆算して社会の仕組みを再設計すればよいというが、残念ながら、掛け声だけで何も進まない。

 

そんな中、グローバルに株式市場が史上最高値圏を試している。

 

米国株は、AI、半導体、クラウドといった高収益産業が指数の中核を占め、NVIDIAやMicrosoftのような企業は、単に市場を牽引するだけでなく、世界の産業構造そのものを変えていく存在だ。金利が高止まりしても、地政学リスクが顕在化されても、最終的に資金が戻ってくるマーケットは米国株なのだと思わせるような強さだ。

 

欧州株は、エネルギー価格の変動、中東情勢、ロシアとの関係などの影響を受けやすく、株式市場もそのたびに大きく動く。良くも悪くも、産業構造は分散、多様化しており、米国のような成長産業の核が指数を押し上げる構造にはなっていない。

 

日本株は、依然として外部環境の良さがその強さの前提条件になっている。円安が止まれば利益押し上げ効果は薄れ、米国株が調整すれば日本株も連動しやすい。米国のような自律的な強さとは性質が異なる。

 

こうして3つの市場を比べてみると、米国株は構造的な利益成長と資金フローの厚さから、最も長く安定した上昇を描きやすい。欧州株は地政学とエネルギー価格に左右されやすく、流れが途切れやすい。日本株は外部環境が整えば強いが、風向きが変われば勢いが鈍る。

 

そんな中発表されたマイクロソフト、アマゾン・ドット・コム、メタ・プラットフォームズ、およびグーグルの親会社アルファベットの決算はいずれも、設備投資が爆発的な増加を続けていることを示した。4社の今年の合計支出額は7,250億ドルとなる見通しだ。

 

巨大テック企業のさらなる成長を示唆するアナリストが多いが、今後数年は減価償却費が収益を大きく圧迫することになる。現在のリターンが支出を正当化できるのか心配だが、AIが世界経済をけん引するという見方から、巨大テック企業は支出を抑制するつもりはないのだろう。

 

米国は自ら未来をつくり、欧州は環境の変化に向き合い、日本は外部環境を味方につけている。世界経済は、トマ・ピケティ氏のいわゆるR>G時代の真っただ中にいるわけだが、2120年に日本の総人口は5,000万人台にまで縮小し、15歳未満の子どもの人口は400万人台に落ち込むということはほぼ確実に起こる。おそらくこの推計は、出生率、外国人流入の予測が甘すぎることから、楽観的過ぎるはずであり、日本の総人口は現在の関東地方の総人口4千万人台半ばまで減少するはずだ。

 

だからといって、すぐにでも日本株が調整すると言っているのではない。設備投資が功を奏し、AIがこれからも世界をどんどん変えていき、労働生産性のレベルが段違いで急上昇していくと考えれば、投資の資本収益率が経済成長率を上回り続けるのかもしれない。

 

それぞれの市場が抱える構造の違いを理解することが、これからの投資判断において極めて重要な視点になるだろう。


 

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