篠原金融塾 産業の空洞化 グローバルマーケットウィークリー 5/2/2025
- 篠原竜一
- 5月3日
- 読了時間: 3分
グローバリゼーションをリードしてきたアメリカ。その結果、産業基盤の大部分が国外に移転したが、新型コロナウイルス流行に伴うサプライチェーンの混乱、トランプ大統領の関税導入を機に、アメリカ国内だけで完結するサプライチェーンを構築することで製造業の大復活を目指している。
産業の空洞化という言葉は、学生時代習った気がするが、グローバリゼーションが進展するに伴い、この言葉を聞くことはなくなった。この産業の空洞化を政治的な力で解消、国力を増強しようという政策は少なくとも学生時代には間違っているとは教わらなかった。
しかしながら、現実的に米国製の部品を見つけられないメーカーは少なくないという。結果として、短期的には、完成品を作る工場ではその生産を縮小せざるを得ない状況となってしまうかもしれない。
米国製の部品を作るための工場をあらたに建設すると言うのは簡単だが、実際に投資となると二の足を踏む企業も多いだろう。関税政策があくまでも交渉手段として使われているとすれば、先行き関税政策が廃止される可能性もある。
そんな中、アメリカの第1四半期の実質GDPが-0.3%のマイナス成長となったことが話題となったが、内訳を見てみると、個人消費+1.21%、投資+3.60%、輸出入-4.83%、政府支出-0.25%とその要因は明らかに関税政策だ。ベースの景気は決して弱くはないが、先行きへの不安から企業が部品などの輸入を前倒しで実施したのだろう。
中国でもアメリカ市場の売り上げに依存する企業は少なくない。短期的には輸出が急増した可能性もあるが、長期的には新たな輸出先を模索する必要がある。仮にその輸出先が日本ということになれば、日本企業に、ヨーロッパということになればヨーロッパの企業に大きな影響を与えることになる。グローバリゼーションが進展したことにより、2国間の問題はあっという間に世界中に影響を与えることになる。
今週株式市場は値を戻し、債券市場は売られる展開となり、落ち着きを取り戻したかのように見えるが、日々新しい情報が入ってくることに変わりはない。日本はゴールデンウィーク中だが、グローバルマーケットは、引き続きボラタイルな展開が続く。

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