篠原金融塾 アメリカの金利上昇が止まらない グローバルマーケットウィークリー 3/25/2022

パウエルFRB議長が21日に行った全米企業エコノミスト協会(NABE)の講演で、インフレ抑制にFRBは「迅速に」行動する必要があるとし、必要に応じて通常より大きな幅での利上げを実施する可能性があると述べた。この発言を受け、マーケットでは5月の会合で50bpの利上げが実施されるとの見方が広がった。また、パウエル議長はこの講演で、5月までに約9兆ドル規模に膨らんだバランスシートの縮小に着手する可能性があるという見方を改めて示した。FRBは、インフレを抑制するために必死だ。


年初来のオミクロン株拡大、ロシアによるウクライナ軍事侵攻で市場のボラティリティは高まっている。新型コロナ感染拡大によるサプライチェーンの目詰まりに加え、ウクライナ危機を受け、原油、商品価格が急騰しており、前年比でみると、アメリカの足許のCPIは+7.9%、コアCPIは+6.4%とアメリカの物価は大幅に上昇している。


こうした動きを受け、グローバルに株式市場の頭は重いが、アメリカの景気は堅調で、金利先高観の高まりからドルが堅調に推移、ドル円は122円台を示現。FRBによる連続的な利上げ懸念から米国債は大きく売られ、年初来で見ると、2年債155bp、5年債130bp、10年債98bpの金利上昇となっている。この動きを受け、欧州債も大きく金利が上昇している。


日本では需給ギャップが解消しない中、輸入物価指数が大きく上昇している。円ベースで見ると2月速報ベースで対前年比+34.0%となっている。一方、輸出物価指数は+12.7%と価格転嫁が出来ていない。国内物価指数も+9.3%とじわじわ上がってきた。悪い円安としか言いようがない。

2021 年 10-12 月期の日本のGDP成長率(季節調整済前期比)は、実質 1.1%(年率 4.6%)、名目 0.3%(年率 1.4%)となった。 GDPの内外需別の寄与度は、国内需要(内需)の寄与度は0.9%と。財貨・サービスの純輸出(外需)の寄与度については、0.2%。 日本は内需の国だ。輸入物価の上昇は明らかに日本経済にとってマイナスの影響を与える。米株が買われ、ドル円が122円台まで買われたことを受け、日本株が買われているが、首を傾げたくなる。アメリカ経済は前年比7%で成長、賃金は5%上昇しているが、2021 年の日本の実質GDP成長率は、前年比 1.6%。名目GDP成長率については、前年比 0.7%。GDPデフレーターについては-0.9%。 2021 年の雇用者報酬については、名目は前年比 +1.7%、実質は前年比+ 2.2%だ。


アメリカの金利はまだまだ上がる。従って、金利差拡大から今後さらにドル円が上値を試す可能性もある。2022年は実質ベースでの雇用者報酬をプラスにするには相応の賃上げが必要になるものと思料されるが、その富をどうやって産みだすか?2022年は日本にとって試練の年となりそうだ。


デフレの状況では企業が内部留保を高めるのは当然の行動だったともいえるが、これからインフレの時代に突入する。現金の価値が減価していく中、投資を実施していく必要がでてくる。インバウンド需要に期待できないコロナ禍、少子高齢化が進む日本の状況、を考えると今ほど政府による需要政策が求められる局面はない。しかしながら、財政支出には限界があり、内需を作り出せないとすれば、今後のポイントは外需だ。インバウンド需要に加え、今後成長するターゲット地域への積極的な投資こそが日本にとって必要な施策であることは明らかだ。





株式会社ランプライターコンサルティングは、当サイトに掲載している情報の正確性について万全を期しておりますが、その内容について保証するものではありません。当サイトでは、信頼できる情報源から得た情報を、確実に掲載するようあらゆる努力をしておりますが、株式会社ランプライターコンサルティングは、間違い、情報の欠落、あるいは、掲載されている情報の使用に起因して生じる結果に対して一切の責任を負わないものとします。当サイトに掲載されている全ての情報は、その時点の情報が掲載されており、完全性、正確性、時間の経過、あるいは、情報の使用に起因して生じる結果について一切の責任を負わないものとします。また、あらゆる種類の保証、それが明示されているか示唆されているかにかかわらず、また業務遂行、商品性、あるいは特定の目的への適合性への保証、また、これらに限定されない保証も含め、いかなることも保証するものではありません。





閲覧数:15回0件のコメント