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篠原金融塾 グローバルマーケットウィークリー 2/24/2023

アメリカ経済は健全だ。


1月の米雇用統計では、失業率が53年ぶりの低水準となり、就業者数は50万人以上増えた。1月の米小売売上高は伸びは約2年ぶりの大きさとなった。加えて、1月の米消費者物価指数(CPI)と米卸売物価指数(PPI)の上昇率は、いずれも市場の予想を上回った。


市場参加者は、アメリカ経済の過熱感が続けば、FRBはさらなる利上げを余儀なくされ、当初の想定よりも政策金利を大幅に引き上げざるを得ないと、多くの向きが考えるようになった。


こうなると株も債券も売られる。


ウォールウトリートジャーナル紙に興味深い記事を見つけた。ベンチャーキャピタル(VC)の資金調達額が、2022年10-12月期に9年ぶりの低水準となったそうだ。スタートアップの10-12月期の資金調達は、206億ドルで、前年比マイナス65%。ファンドに出資するリミテッドパートナーは、2年前の21年10-12月期には620のVCファンドに投資したが、10-12月期は、226に減少。


グローバルにインフレ率が上昇し、中央銀行が利上げを継続する状況では、投資家が様子見となるのは仕方ないのかもしれない。


そんな中、日本の1月の消費者物価指数は、変動の大きい生鮮食品を除く総合指数が104.3となり、前年同月比で4.2%上昇した。日銀の物価上昇目標2%の2倍だ。


次期日銀総裁候補の植田和男氏は、物価の先行きについて「23年度半ばにかけて2%を下回る水準に低下していく」と説明した。市場の見方と大きく変わらない。


植田氏は、「輸入物価の前年比プラス幅は縮小しつつあるほか、政府の経済対策によるエネルギー価格の引き下げ効果もある」と物価上昇ペースの減速を予想しており、1月のインフレ率が「とりあえずのピークとなる」と述べ、次回発表の2月分からは「かなり大幅に下がったものが出てくる」との見通しを示している。


こうした認識を踏まえ、植田氏は金融政策に関し「一時的なインフレ率の上昇には直ちには反応せず、基調的な物価の動向に反応するというのが標準的」と説明。需要が戻り切れていないなかでの金融の引き締めは「需要を減退させ、景気悪化とその後の物価低迷をもたらす」と述べた。


日銀にとっての大きなチャレンジは、欧米のようにピークは打ったものの高止まり、物価が下がらないことだろう。日銀は、その場合でもイールドカーブコントロールにより10年債を支え続けるのだろうか?イールドカーブのスティープ化は避けられないのでは?


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