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執筆者の写真篠原竜一

篠原金融塾 グローバルマーケットウィークリー 1/6/2023

6日に発表された12月のアメリカの雇用統計は、非農業部門就業者数は前月比22万3,000人増加。失業率は3.5%に低下。引き続きアメリカの労働市場は健全だ。加えて、12月の平均時給が市場の予想を下回り、前年同月比4.6%となったことで、株式、債券とも大きく買われる展開となった。


FRBが公表した連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(昨年12月13~14日開催分)によると、市場に利上げ打ち止め観測が広がれば、景気を減速させインフレを抑制することが一段と困難になりかねないと当局者が懸念しており、市場参加者より政策当局者が慎重なことには留意の要があるだろう。


新型コロナへの対応で実施したアメリカの景気刺激策は、サービス消費を押し上げることは出来なかったが、モノの消費を大きく押し上げた。加えて、ロシアによるウクライナ侵攻により商品価格が上昇したことがモノの供給不足に追い打ちをかけ、物価を大きく押し上げた。このことをFRBは気にしているはずであり、需要を抑えるために、次回のFOMC(1/31~2/1)では引き続き利上げが実施されるものと思料される。利上げ幅については、物価の動向次第であり、どうなるかはまだわからない。


一方、日銀はついに大規模な金融緩和策の修正を決め、これまで0.25%程度に抑えてきた長期金利の上限を0.5%程度に引き上げた。これを受け円高ドル安が加速した。


黒田総裁は「利上げや金融引き締めを意図したものではない」と記者会見で説明したが、金利の変動幅の上限を引き上げ、金利の上昇を容認したので、実質的には利上げとしか言いようがない。10年物日本国債金利は既に0.50%迄売られているが、海外勢を中心に日銀による長期金利の上限引き上げを催促する展開となりそうであり、当面は日米の金利差縮小というストーリーからドル円は下値を試しそうだ。



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