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篠原金融塾 グローバルマーケットウィークリー 1/3/2022

新型コロナには全世界累計で約2億9千万人が感染し、約540万人が死亡した。それでも新型コロナは変異を続けており、感染拡大が止まらない。一日の感染者数はアメリカでは約40万人、イギリスでは約18万人、それにイタリアでは約13万人と新型コロナウイルスの新たな感染者がさらに増えて過去最多を更新している。またフランスでは約20万人が感染している。オミクロン株の広がりなどで感染拡大に歯止めがかからない中、各国政府はワクチンの接種を急ぐなど対応に追われている。世界各国と比較すると日本での感染は落ち着いているものの、今後のオミクロン株の動向には注意を要する。

2021年は、世界的な経済再開がテーマとなった一年だった。株式市場はグローバルに堅調に推移。米株がアウトパフォームする中、日本株は米株、欧州株対比でみると大幅にアンダーパフォーム。一方、債券市場はグローバルに売られる展開となったが、日本国債は蚊帳の外。円は最弱通貨で対ドル、対ユーロで下落している。サプライチェーンの混乱と原油の大幅な上昇は、インフレ率上昇の大きな要因になっている。


2022年はどんな年になるのだろう?


年初のグローバルマーケットは、欧米の金融政策に注目することになる。FRBは、12月のFOMCで、早ければ来春からとなる利上げの準備を始め、債券買い入れ刺激策をより迅速に縮小することを決めた。ECBは12月の理事会で、コロナ危機で導入した緊急買い取り制度による新規資産購入を22年3月末で打ち切ると決めた。インフレへの懸念が高まるなか、欧米の中央銀行が金融政策の正常化に動き出した。


新たな感染の波による経済的な悪影響は、それ以前の波より小さくなるとの見方が主流だが、オミクロン株の世界的な感染者急増が2022年の経済成長の見通しを下方修正する必要が出てくるか否かが大きなポイントとなるだろう。そういった意味ではパウエルFRB議長、ラガルドECB総裁の発言には2021年以上に注目が集まるだろう。