篠原金融塾 金利は上がる!グローバルマーケットウィークリー 10/8/2021

9月の米雇用統計では、非農業部門就業者数はエコノミスト予想を大幅に下回る前月比19万4000人増。失業率は着実に低下、9月は4.8%となったが、求職者数が減少したことが主因なので、良い失業率の低下ではない。


しかしながら、雇用を減らしたのは主に政府部門で、民間部門は31万7000人増。加えて、7月と8月の就業者数は上方修正され、合わせて16万9000人の雇用が上乗せされた。これを加えると約50万人増で、市場予想通りの結果だ。


時間当たり賃金は前年同月比4.58%上昇。経済活動再開に伴うサプライチェーンのひっ迫や、一時的な品不足が物価を押し上げており、FRBは一時的なものだと主張するが、今年に入ってインフレは加速し、個人消費支出(PCE)価格指数は8月に前年同月比4.3%上昇している。


斯かる状況下、FRBが11月2~3日のFOMCで量的緩和の縮小(テーパリング)の開始を決定する。年初来金利は既に大きく上昇している。

FRBが保有している米国債を直ちに売却するわけではない。毎月の購入額を減らすだけだが、先週1週間で2年債は5.4bp、10年債は14.7bp売られ、金利は大きく上昇している。

そろそろモーゲージ債のコンベクシティヘッジの売りが気になってくる水準だ。米国債利回りが上昇すると住宅ローン金利も上昇する。住宅ローンの借り手でわざわざ高い金利に借り換えする人は少ない。借り換えが減るということはモーゲージ債(MBS)が早期償還されず、投資家にとっては資金の回収に時間がかかることを意味する。デュレーションが長いほど、金利上昇による損失は大きくなる。モーゲージ債は、米国債が大きく売られ、金利が上昇する時には、国債よりも売られる。金利上昇幅が大きくても毎日少しずつ金利が上昇する限り、大きな問題は起こらない。しかしながら、大きな問題は、金利上昇のペースが速い場合、早期償還による将来のキャッシュフローの変化を予測することが難しいということだ。従って、思っていたよりも損失額が大きいということが起きてしまうことがある。モーゲージ債を保有する投資家は保有している長期の米国債を売却するか、デリバティブを使って予想外に生じたデュレーション長期化を相殺しようと動く。このことをコンベクシティヘッジと市場関係者は呼んでいる。FRBは、モーゲージ債を毎月購入しているが、コンベクシティヘッジを行わないので、影響は小さいのではないかと思うものの、市場規模は約750兆円だ。


週末の相場では10年債利回りが1.6%の水準で止まったことは良いニュースだが、この水準を抜けると、コンベクシティヘッジは加速するかもしれない。まだまだ金利は上がるかもしれない。





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