top of page

暇なときに 篠原金融塾 歴代のFRB議長 バーナンキ氏③

ハーバード大学で経済学を学び、マサチューセッツ工科大学で経済学博士号を取得。誰もが憧れるプリンストン大学の経済学部長。インフレターゲットの研究者として有名な経済学者だ。2006年2月1日にFRB議長に就任。グリーンスパン氏の後任としては凄いプレッシャーだったに違いない。


バーナンキ氏は、1930年代の世界大恐慌は、FRBによる通貨の供給不足が大きな要因だったと考えるハーバード出身とは思えない経済学者だ。


「デフレ克服のためにはヘリコプターからお札をばらまけばよい」と日銀を批判したことでも有名、「ヘリコプター・ベン」と呼ばれたが、リーマンショック時には、自分がお札をばらまくことに。


バーナンキ氏は、2009年には、量的緩和第1弾(QE1)、2010年には量的緩和第2弾(QE2)、2012年には量的緩和第3弾(QE3)を実施した。


バーナンキ氏は、2014年2月、FRB議長退任したが、評価は分かれる。リーマンショックという緊急時対応が必要なときのFRB議長としては適任だったのかもしれない。当時市場関係者は量的緩和の効果に懐疑的だったが、アメリカがデフレに陥らなかったのはバーナンキ氏による量的緩和のおかげだという向きは多い。


しかしながら、民間のレバレッジ解消のためにお金を刷り続けて、FRBのバランスシートを拡大したものの、インフレ率を2%に戻すことは出来なかった。そして、後任のイエレン議長もそのバランスシート縮小には手をつけることが出来なかった。


私はバランスシート縮小が遅れた悪影響について市場参加者は議論したほうが良いと思う。


米国2年債10年債のイールドが逆転し、アメリカのリセッションリスクが高まっているというエコノミストも多いが、それはリーマンショック以降の金融政策の影響を見誤っていると思う。FRBが依然として大量の債券を保有し、バランスシートを維持していることがイールドカーブの形状を歪めているのであり、アメリカのリセッションリスクは高まってはいない。


同時に米景気が過熱し、インフレ率が急上昇するリスクもない。政治リスクも顕在化してきている。


ドイツ10年国債のイールドは-0.68%、日本10年国債のイールドは-0.27%だ。一方、アメリカの10年国債のイールドは1.51%だ。アメリカの10年国債は買われ続けるかもしれない。


リーマンショックは、なぜ起きたのか?


もう一度考えたほうが良い。民間のレバレッジが急拡大し弾けたのである。その後、民間のレバレッジは縮小したが、公的(日米欧の中央銀行)のレバレッジが日米欧で急拡大し、アメリカですらその縮小のチャンスを逃した。


中央銀行はバブルの崩壊は何としても防ぎたいでしょう。ということは公的のレバッレッジは引き続き拡大していきます。そうなるとすれば、次の金融危機は過去最大のものになるでしょう。

閲覧数:27回0件のコメント
bottom of page