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執筆者の写真篠原竜一 代表取締役社長

篠原金融塾 トランプ大統領vsバイデン氏 初討論会 ~米大統領選~ 

酷かった。とにかく相手の話を遮ったり、罵り合ったりする場面ばかりで、正直観ていて不愉快になるような内容で、とてもアメリカの大統領候補同士による討論会とは思えなかった。特に、バイデン氏の話を絶えず遮り、討論会の司会を務めたウォレス氏からの再三にわたる注意を無視し続けたトランプ大統領の態度は酷かったとしか言いようがない。まあ、それがトランプ大統領のスタイルと言えばスタイルなので、トランプ大統領の支持者たちは何とも思わないだろうし、バイデン氏の支持者は何て酷い大統領だと思っただけだろう。

いずれにせよ、トランプ大統領、バイデン氏のどちらに投票しようかまだ決めていない有権者の心を動かすような討論会ではなかったことは確かだ。

本日の討論を聞いてわかったことは、バイデン氏は、仮に敗北が濃厚になった場合、投票日の夜に敗北宣言を行う可能性はあるが、逆の場合、トランプ大統領は、投票日の夜に敗北宣言を行うことはなさそうだということだ。従って、新しい大統領が確定するまでに投票日から数週間かかる可能性があるということだ。

討論会を観ていた市場参加者は、どう思ったのだろうか? 

日本人が思っているよりもトランプ大統領の再選の確率が高いと考えている市場参加者は少なくないが、討論会を受けて、グローバルに株が売られている。これは、バイデン氏が勝利する可能性が高まったと市場参加者が理解したのではなく、今回の大統領選挙は、勝者確定までかなりの時間がかかる可能性があることを頭に入れておく必要があると思ったからではないだろうか? 


コロナ禍の中、政治的な空白は何としても避けるべきだが、不透明感が高まれば、ボラタイルな展開となり、リスクオフの動きが出ても不思議ではない。


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