top of page
執筆者の写真篠原竜一 代表取締役社長

暇なときに 東京都知事選挙 投票率は55%

新型コロナとの闘いで都の財政はひっ迫している。第2波にはどのように対応するのか?学校のICT化は? 東京オリンピックは開催するのか? など問題山積だ。そんな中、東京都知事選挙が5日投開票された。小池百合子氏の得票は340万票を超え、前回の約291万票を上回った。圧勝だ。

選挙権のある都民は約1,100万人。投票率が55.00%(前回59.73%)だということは、約600万人の都民が投票し、そのうち340万人が小池氏を選んだということだ。最近の都知事選と比べて投票率が特別低いわけではないが、こんな一大事な時であるにもかかわらず、何故投票率が伸びないのだろうか?

日経新聞でも報道されていたが、OECDの調査(18年時点)で日本は、時間あたり生産性が米国に比べ約4割低い。世界的には物価上昇を上回るペースで賃金が上昇している国が多いが、日本では経済が成長せず、生産性が伸びず、結果として賃金が上がらない。経済的にはどんどん貧しくなっている。その日本の中心地である東京都民の2人に1人しか投票に行かない。昔からヒトに任せて文句を言うのが日本人の特徴だったが、その傾向がますます顕著になってきたようだ。選挙権を行使することは我々国民、都民の権利であり、18歳以上の選挙権を与えられた国民、都民がその権利を行使することはとても大切だ。人々は社会に出ると社会の仕組みに疑問を持つようになる。より良い東京都、より良い国にしていくために頑張ってくれるリーダーを選ぶために選挙権を行使する。

学校というのは本来生きる力を身に着けるところであり、テストで良い点数を取る訓練を受けるところではない。しかしながら、選挙に行ってもテストで良い点数が取れるようになるわけでもなく、給料が上がるわけでもなく、無駄だと考える人が相当数いるのかもしれない。自分で情報を収集し、仮説検証を繰り返し、状況を分析し、判断し、決断することを学んでいれば、18歳になって自分に与えられた選挙権を行使する人は増えるはずだが。。。

こういうことを言うと、1)投票したい人がいない、2)小池氏が勝つことが決まっていたから、3)誰がやっても変わらない、4)投票するかしないかは自由だ、などと反論されることが多い。

本当にそんなことを言っていて良いのでしょうか?


黒人・アジア人であるという事実だけで差別されたり、国際間での約束が反故にされたり、世界がポピュリズムに走り、自国第一主義が蔓延る世の中では、国民の声は特に重要だ。


日本は、このまま経済が成長せず、生産性が伸びずに賃金が上がらないと、ますます人口が減少し、貧しくなっていく。この流れが続いてしまうと、日本で働きたいという外国人労働者は今後減っていく。日本に来ても大して稼げなくなっていくからだ。

同時にグローバリゼーションの本当の問題に気づくことになるだろう。モノの値段だ。平成という時代は、外国では経済が成長し、賃金が上昇し、それに伴い物価が上昇する中で、日本では経済が成長せずに、賃金が横這った。例えば、車の値段だ。200-300万で高級車が買えた時代から600-700万円は出さないと高級車が買えない時代になった。車の価格は世界でほぼ変わらないため、日本で安く買える車は殆どない。賃金が上昇しない日本人にとって高級車の購入は昭和の時代より家計を圧迫するようになった。日本の不動産価格も同様だ。世界の基準に比べて圧倒的に安い不動産など作れない。原材料費・人件費の値上がりは続いている。同じコストをかけるのであれば、高く売れる国・街で作ったほうが良くなっていく。

今18歳の日本人が50歳になる頃には日本の総人口は1億人を下回り、65歳になる頃には日本の総人口は8,000万人まで減少すると国立社会保障・人口問題研究所は予想している。

子供たちの世代は、より良い日本で今よりも充実した生活を送れるのでしょうか? 残念ながら、日本で教育を受け、日本の企業に就職する殆どの人にとっては無理でしょう。

日本、東京都の財政はどうなっているのでしょうか? 今の運営が続けば良くなっていることはないでしょう。

健康保険・年金制度は維持されているのでしょうか? 国民の負担は増え、年金は、減ることがあっても増えることはないでしょう。所得税も消費税も税率を上げざるを得ないでしょう。

じゃあどうすれば良いか?


需要をどこに見出すかがポイントでしょう。平成の時代は、日本の総人口がピークをつけてからは、人口減による需要減をどう賄うか、その対策が十分ではなかった。何はともあれ、ヒトに任せて文句を言うのを止めて、自分で考え、行動し、責任を取るヒトを増やす教育を行うことが日本には必要だ。そして、より多くの日本人が政治に参加し、国、企業、家計それぞれが時代に合わない制度を見直し、人口減による需要減を補うための施策に取り組む必要がある。


日本でも新型コロナを受け、インバウンド需要に頼りすぎていたのが問題だったという議論をする向きが増えてきたが、その議論には賛成できない。今後この需要減をどうしようというのか? 人口減少する国が、観光資源を最大限に有効活用し、インバウンド需要に注力することは間違っていない。新型コロナで苦戦中のインバウンド需要、外国人労働者の受け入れについては、何としても復活させる必要がある。


需要を作り出すことが出来なければ、経済は縮小する。簡単なことではないが、何としても日本人が力を合わせて需要を作り出し、経済を成長させることが必要だ。結果として、生産性が向上し、賃金が上昇する仕組みを作ることが出来れば、令和を成長の時代にすることは可能だ。

閲覧数:13回0件のコメント

最新記事

すべて表示

Commentaires


bottom of page