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篠原金融塾 ちょっと真面目に日本の財政 外貨準備
日本の財政を議論する時に資産サイドが議論されることはあまりないようだが、国の貸借対照表を見ると、外貨準備として保有している外貨証券の残高が多いことがわかる。
外貨準備とは何か?
日本銀行のホームページによると、「外貨準備とは、通貨当局が為替介入に使用する資金であるほか、通貨危機等により、他国に対して外貨建て債務の返済が困難になった場合等に使用する準備資産です。わが国では、財務省(外国為替資金特別会計)と日本銀行が外貨準備を保有しています。わが国における毎月末の外貨準備残高については、財務省のホームページに掲載されている「外貨準備等の状況」をご覧ください。」と説明してある。
早速財務省のホームページ(11/8に公表された「外貨準備等の状況」令和元年10月末時点の残高)を見てみた。
https://www.mof.go.jp/international_policy/reference/official_reserve_assets/0110.html
これによると外貨準備及びその他の外貨資産残高は、1,371,337百万ドル。1ドル109円で日本円に換算すると約150兆円。国の資産の約20%を外貨で保有しているということになる。
同じく財務省が11/8に公表した「外国為替平衡操作の実施状況(令和元年7月~令和元年9月)」によると令和元年7月~9月期における外国為替平衡操作額はゼロ。為替市場は安定していて、為替介入は実施されなかった。
次に考えるのはこれだけの巨額の外貨準備はどのように運用されているかということだ。
内訳を見ると外貨建証券が一番大きく、1,126,020百万ドル、日本円で約123兆円。財務省は、外貨準備の殆どを外貨建証券で保有しているということだ。