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執筆者の写真篠原竜一 代表取締役社長

ラスベガス・サンズ、日本へのIR進出断念

横浜市でのカジノを含む統合型リゾート施設(IR)開発に注力する方針を示していたラスベガス・サンズ(本社:米国ネバダ州ラスベガス/NYSE:LVSC)が日本へのIR進出を断念した。

横浜市のIR開発が無くなったわけではないので、そんなにがっかりする必要はないのかもしれないが、日本参入を狙っていた米国のラスベガス・サンズが抜けたのは物凄く残念だ。横浜市が目指すIRの具体的な姿の一つとして、ラスベガス・サンズがシンガポールで運営する「マリーナベイ・サンズ」を挙げていたということもあり、ラスベガス・サンズが事業者として選ばれると思っていただけに残念で仕方ない。

大阪府・市の事業者公募には、米MGMリゾーツ・インターナショナルとオリックスの共同グループが参加登録しており、個人的には、横浜でラスベガス・サンズ、大阪でMGMによるIR開発に期待していた。

ラスベガス・サンズのシェルドン・アデルソン会長兼CEOは、日本へのカジノ投資について、必要ならいくらでも投じる。「100億ドル(約1兆円)を投じるかと聞かれれば『イエス』である。勿論70億ドルですむならそうしたいが」と語っていた人だ。そのアデルソン氏が今回のIR進出断念を決定した理由は以下の通りだ。

「日本文化および日本の観光目的地としての魅力への興味は、私がコンピュータ関連の展示会COMDEX を日本で運営していた30年以上前に遡り、それ以降、いつも日本における事業展開の機会を探していました。私の個人的な日本への好意的な気持ちは何ら変わりませんし、統合型リゾート施設開発によって日本はビジネス及びレジャー観光市場からの恩恵を享受するであろうとも思います。しかし、日本におけるIR開発の枠組みでは私たちの目標達成は困難であると思われます。これまで日本市場参入の検討をしてきた中で様々な方々に出会え、良い関係を構築できたことに感謝しています。私たちは今後、日本以外での成長機会に注力する予定です。」

「私は会社の将来と成長の見通しについて非常に強気であり続けます。IR業界の主要市場で最高クラスの施設を運営している当社は、現在、マカオとシンガポールで非常に大きな投資プログラムを実行し、既存のポートフォリオから有機的な成長を新たに生み出そうとしています。また、ラスベガス、マカオ、そしてシンガポールで当社が先駆者として開発して成長を遂げたMICEを中心とする統合型リゾートモデルは、アジア諸国が経済成長の原動力としてビジネス及びレジャー観光産業を強化することを検討する場合、今後もベストプラクティスとして参考にされると考えています。」

新型コロナウイルスの感染拡大で今まさにホスピタリティ業界は変革の時代を迎えているのかもしれない。IR開発には反対する人も多いし、場合によっては、開発自体が延期されるかもしれない。

それでも、統合型リゾート施設開発は、少子高齢化が進んでいく日本では、インバウンド需要の目玉であることは間違いない。これからの日本の成長産業だと信じているが、このストーリーが描けないとなると日本は人口減少による需要減をどのように補っていくのだろう。青写真が描けない。

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