暇なときに 何のために大学を国際化するか?

政府の教育再生実行会議の「高等教育ワーキンググループ(WG)」(主査・鎌田薫前早稲田大総長)は10月19日の会合で、大学の入学時期を4月や9月などと一律で固定せず、学校ごとに柔軟に対応できるようにする方向で一致したそうだ。

報道はされていないが、今回の会合では、立命館アジア太平洋大学(APU)の出口学長と前国際基督教大学(ICU)学長で現在は学校法人聖心女子学院の日比谷常務理事が、高等教育の国際化について提言しており、大変興味深い内容だ。

出口学長は、そもそも外国人留学生には①国・自治体や民間が奨学金を出し、②英語による授業、学生生活サポートなど、お金と手間暇をかけて教育・研究をサポートしているにもかかわらず、学部生30%、修士40%、博士60%は卒業後日本に残らないという問題に対して、外国人留学生は労働力人口減少対策としての労働力ではなく、我が国の新しい産業を生み出す可能性として位置づけるべきだと提言している。

また、出口学長は、経済も、文化も、社会も「国内だけで完結する」時代は終焉、2020年度学部卒業生のキャリアは2060年くらいまで続くが、2060年まで、日本国内だけで仕事が完結する「幸せな時代」は続かないと主張する。

何のために大学を国際化するか?

それは、世界で活躍できる人材を育成するためだと出口学長は主張する。ほぼ日本人学生、日本人教員だけの環境で、文化・社会など多くの共通基盤が共有される安全なコミュニティ(コンフォートゾーン)で、世界で活躍できる人材は育成できない。言語だけの問題ではない現実を受け止め、大学の環境を、卒業後の舞台になる「世界」に創り変えるしかないという。日本人だけの環境にならないためには、日本人以外の学生比率を一定の閾値以上に高める必要があると主張する。

本当にその通りだと思う。APUは留学生比率が50%だということを知っている人は少ない。男女比も50/50だ。世界で最も国際化・多様化していると言って良いだろう。そのような環境で外国人留学生と日本人学生が一緒に学ぶ。情報を自分達で収集、仮説検証を繰り返し、喧々諤々と議論し、正解のない問題に日々取り組んでいる。こんな大学は世界中どこを探しても他にはない。卒業時には外国人留学生は日本語が話せるようになり、日本人学生は英語が話せるようになると同時に、多種多様な価値観を受け入れられる人に成長していく。

日比谷常務理事は、高等教育の新たな国際展開についての提言を行っている。ICUは世界に門戸を開いている大学だ。1955年以降、日本の教育制度で学んだ人を4月に、外国の教育制度で学んだ人を9月に受入れ、それぞれ3月と6月に卒業式を行っている。

今後は、各大学が学期ごとの入学を認め、海外の大学とのダブル・ディグリーを目指せるような仕組みを構築し、単位を取得したら3年半でも卒業出来るような大学へと変革することが出来たら素晴らしいのではないだろうか?


APUやICUのような大学の卒業生たちは、上司が外国人、部下が外国人でも活躍するリーダーに今後成長していくのだと私は思う。

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