篠原金融塾 サプライチェーンの混乱 グローバルマーケットウィークリー 12/03/2021

パウエルFRB議長は、「新型コロナ感染件数の増加に加えて、オミクロン株が確認されたことは、雇用や経済活動にとって下振れリスクであり、ウイルスに対する懸念が高まれば、自ら働く国民の意欲が低減し、雇用市場進展の足かせとなってサプライチェーン上の混乱をさらに悪化させるかもしれない」と指摘した。それでも、「経済は極めて力強く、インフレ圧力も高まっていることから、個人的な見解として、数カ月前倒しでのテーパリング完了を検討することは適切だ」と述べていることに市場はもっと注目する必要がある。


市場は、景気下振れリスクに主眼を置く、正直もう少しハト派のコメントを期待していたに違いない。しかしながら、FRBが今もっとも注目しているテーマはインフレーションということが明らかになったと私は思う。


11月の米雇用統計は、非農業部門雇用者数が前月より21万人増加したものの、市場予想の55万人増を大幅に下回った。しかしながら、失業率は4.2%と前月の4.6%から低下し、2020年2月以来の低水準となった。先週の米国債の値動きを見ると、米2年債が8.5bp金利が上昇する中、逆に、米10年債は12.5bp金利が低下し、イールドカーブは大幅にフラットニングしている。


パウエルFRB議長の発言に加えて、失業率の低下もあり、FRBによるテーパリングが加速し、早期利上げ実施されるというストーリーの確度は上がったと考えた方が良い。


オミクロン株により、物価の上昇を招いているサプライチェーンの混乱がさらに悪化する可能性があるということは、中央銀行としては、景気下振れリスクを受け、現状の超低金利政策を維持すれば良いという問題ではないのは明らかだ。


特に債券投資家の多くは現時点では、インフレ率が今後更に上昇していくリスクよりも、新型コロナ感染拡大が経済に長期的な打撃を与える恐れがあることを重視しているような気がしてならない。しかしながら、長期金利の上昇が一服し、やれやれと安心できる状況ではないと思う。インフレ率の高止まりが長引き、FRBがテーパリングのペースを加速し、インフレ率上昇に対し利上げで対応するというFRBのメッセージが仮に変わらないとすれば、市場の想定以上に債券が売り込まれるリスクを頭に入れておかないといけないだろう。





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