top of page

篠原金融塾 年内最終号 グローバルマーケットウィークリー 12/19/2025

11月のアメリカの消費者物価指数(CPI)は前年同月比2.7%上昇、市場予想の3.1%を大幅に下回ったものの、政府機関閉鎖の影響で歪んでいる可能性が高い。追加利下げへの期待は高まるものの、米連邦準備制度理事会(FRB)はここまで3会合連続で利下げしており、インフレ率がFRBの目標である2%を上回っていることを踏まえると、追加利下げを急ぐ必要はないものと思料。


日本銀行は、経済・物価の中心的な見通しが実現する確度が高まっていると判断、来年は今年に続き、しっかりとした賃上げが実施される可能性も高いことから、政策金利である無担保コール翌日物金利の誘導目標をこれまでの0.5%程度から0.75%程度へと変更することを全員一致で決めた。


植田日銀総裁は、今回の利上げは、緩和の度合いを少し弱める操作であり、政策金利の変更後も実質金利は大幅なマイナスが続き、緩和的な金融環境は維持されると述べた。


また、個人的には中立金利は引き上げられると考えていたが、植田総裁のコメントは以下の通り。


中立金利の推計値については、相当なばらつきがあり、水準を前もって特定するのは難しいが、推計された中立金利の下限にはまだ少し距離がある。これまでの利上げによる金融環境や経済・物価の変化を振り返ると、ものすごく強い引き締め効果が出たわけでもない。そうした点を総合的に判断すると、まだ実質金利は極めて低い。


様々な解釈が可能だが、日本銀行が、中立金利の推計値を引き続き1.00-2.50%との見方を変えていないとすれば、利上げのペースが加速するとは考えにくいだろう。一方、実質金利は極めて低いと述べていることから、連続利上げの可能性は高くはないものの、頭の中に入れておいた方が良いかもしれない。


今週10年国債利回りは 2.0%台乗せを示現。一気に金利が上昇するとは考えにくいものの、2.5%程度までの上昇はあってもおかしくはない。 日本銀行が利上げに踏み切れるということは、1)賃金上昇と2%インフレの定着が進展してきたということであり、2)金利を上げても経済が耐えられるということは、 賃金上昇、企業の価格転嫁力、そして需要の底堅さが戻ってきたということではないか?


2026年は、金融政策の正常化が資本配分の効率化を促し、日本経済の潜在成長率の底上げが実現することを期待したい。


今週が年内最後のレポートになります。今年も一年ありがとうございました。


2025年はどんな年だったのだろうか?


ウクライナ戦争は4年目に突入、アメリカ、カナダ、ドイツなどで新しい国家指導者が誕生、カリフォルニアの大規模火災、ヨーロッパや太平洋地域で洪水・台風が多発、自然災害が新常態に。


世界経済はAIが日常の生活を変え始め、株式市場は堅調推移。 一方、政治的な介入により貿易摩擦や新たな関税措置が各国で導入され、インフレ率の上昇がトピックに。


2026年も引き続きAIが世の中を変えていくだろう。国家間の技術覇権争いが加速することは悪いことではないと信じ、ワクワク、ドキドキする1年となりますように!

ree

株式会社ランプライターコンサルティングは、当サイトに掲載している情報の正確性について万全を期しておりますが、その内容について保証するものではありません。当サイトでは、信頼できる情報源から得た情報を、確実に掲載するようあらゆる努力をしておりますが、株式会社ランプライターコンサルティングは、間違い、情報の欠落、あるいは、掲載されている情報の使用に起因して生じる結果に対して一切の責任を負わないものとします。当サイトに掲載されている全ての情報は、その時点の情報が掲載されており、完全性、正確性、時間の経過、あるいは、情報の使用に起因して生じる結果について一切の責任を負わないものとします。また、あらゆる種類の保証、それが明示されているか示唆されているかにかかわらず、また業務遂行、商品性、あるいは特定の目的への適合性への保証、また、これらに限定されない保証も含め、いかなることも保証するものではありません。


コメント


会社ロゴ.gif
株式会社ランプライターコンサルティング
〒107-0062 東京都港区南青山2-2-15 ウィン青山942

info@lamplightercstg.com

© 2024 Lamplighter Consulting Inc.

All Rights Reserved.

bottom of page