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篠原金融塾 グローバルマーケットウィークリー

トランプ米大統領は8日、失業保険給付の上乗せ延長や一部を対象とした給与税の一時免除、家賃未払いに伴う立ち退き猶予の延長、学生ローン返済の減免措置に関する4つの大統領令に署名した。企業は年収10万ドル(約1,060万円)未満の労働者の給与税徴収を猶予することが認められる。失業保険給付の上乗せ額は、大統領令で週400ドルとなる。しかしながら、民主党は「議会の予算編成権の侵害」として提訴も辞さない考えだ。従って、議会民主党との協議がどうなるかはまだわからない。

7月の米雇用統計では、就業者数が約176万人増加したが、失業率は10.2%と引き続き高い。2月に比べると雇用者数は1,288万人下回っている状況だ。経済対策が引き続き必要な状況は変わっていない。新型コロナで失業者が急増したことに加え、世界的な感染拡大が収まらず、ワクチンや治療法もまだ見つからない中、トランプ大統領にしても民主党にしても何としても追加経済対策を早期に実施したい考えは変わらないはずで、1兆ドルを超える法案はいずれ通ることになるだろう。

今週のマーケットは、夏休みで動意が薄い中、ドルが買い戻され、金利はベアスティープ、リスクオンムードの展開となるのではないでしょうか?

しかしながら、気になっていることがある。アメリカでは、8月の後半、9月の上旬には秋学期が始まるが、その再開に関しては不安材料が多い。私にはアメリカの学校に通う子どもがいるので人一倍気になっているのかもしれないが、秋学期からどのように学校が再開されるかは米経済に与える影響は小さくないと考えている。

18歳未満の子供がいる労働者は4,500万人以上いるそうだ。学校が、対面授業を行うのか、リモート授業との組み合わせになるのか、などにより、4,500万人以上の労働者が影響を受けるのだ。州によっては12歳以下の子どもをひとりで留守番させると法律で罰せられる場合もあり、日本とは状況は大きく異なる。秋学期からリモート形式のみで授業を再開する予定の学校も多い。感染拡大防止という意味では効果的な対策かもしれないが、一方で、その保護者の働き方には大きく影響する。

また、18歳になるアメリカの大学1年生は、家を出て学生寮に入る学生が多い。これにあわせて「バックトゥスクールセール」が開催されるが、例年とは売れるものが異なるのかもしれない。ギャップイヤーをとる学生もいるだろうが、世界中を旅することが出来ないというハンデもある。新型コロナにより生活そのものが大きく変わったことを実感、今までのマーケットでは想定しなかったような値動きも頭の中に入れておく必要があるのかもしれない。



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