篠原金融塾 円安が止まらない グローバルマーケットウィークリー 7/17/2026
- 篠原竜一

- 3 分前
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中東の紛争がさらに拡大したのが心配だ。
アメリカがイランへの空爆を再開してから1週間以上が経過したにもかかわらず、イランの反撃能力を封じられずにいる。イエメンの親イラン武装組織フーシ派が、紅海の南の玄関口であるバベルマンデブ海峡からタンカーを引き返させた。また、ウクライナが黒海におけるロシアのエネルギーインフラと船舶への攻撃を続けている。
結果として、世界経済は、エネルギー供給が脅かされる事態となっている。世界の石油備蓄がここ数年で最低水準に落ち込む中での混乱だ。原油のみならず、石油製品の供給不足も心配だ。
斯かる状況下、ドル円が上値を試している。片山財務相は24日の閣議後会見で、1ドル=163円台後半で推移する為替相場に対する見解を問われ、過度な為替変動に対しては「断固たる措置を果断にやる」と改めて表明。「具体的な水準については、いつものように申し上げることは控えさせていただく」と断った上で、為替対応に関し、「必要に応じていつでも適切に対応する。それは断固たる措置を果断にやるということだ」と述べた。
ただ、円相場を支えるための「口先介入」の効果は限定的だ。そもそも片山財務相が 「GPIFをはじめとする年金基金が日本の金融資産にさらなる投資をする方向で後押しする方策を追求したい」 「国債の発行当局としては、魅力化とか商品性見直しということで、これを早急に具体化したいと考えている」 と発言したことが市場に大きな影響を与えているからだ。
日銀が国債買い入れを減らす中で、財務省は、金利の極端な変動を抑えるため、GPIFに日本国債への投資を促すことに加え、個人への販売を増やす検討を進めている。外国人投資家も財務省・日銀と喧嘩をしても勝てないという理解なのかもしれない。物価が上昇する中、日本の金利の上昇が抑え込まれる。結果として日米の金利差が縮小しないのなら、円安という見方が出来るだろう。
財務省が、金利の極端な変動を抑えるために考えていることが、円安を後押ししている。そして、それを抑え込むために断固たる措置(為替介入)を果断にやるくらいなら、金利を無理に抑え込む必要が本当にあるのだろうか?
繰り返しになるが、年金基金の投資方針に政府が口を出し、意図的に金利を操作。その副作用で円安。口先介入だけでは円安が止まらず、どこかのタイミングで実際の介入を実施する可能性が高い。そんなことをするぐらいなら、金融政策を正常化し、金利形成については市場に任せるべきだと私は思う。
米国とイランの停戦覚書が破棄され、原油価格が再上昇し、インフレ再燃リスクが高まり、世界的に金利上昇圧力が高まっている。アメリカは利下げどころかFRBが再び利上げするかもしれないとの思惑も広がるかもしれない。そんな中で、日銀による一段の積極的な利上げなどの対応がない限り、財務省が為替介入を実施しても、これまでの介入と同様に、効果は短期的なものにとどまるだろう。
米財務省が23日に公表した半期に一度の外国為替政策報告書での指摘はもっともな内容だ。
過去数年間の円安について、円は大幅に過小評価されていると分析、日米間の金利差が縮小しているにもかかわらず、円安が継続しており、円相場の過度な変動は望ましくないとしている。
報告書では、日本の金融政策の正常化は、インフレ期待を安定させ、為替レートの過度な変動を抑制するのに役立つと分析している。名目賃金は顕著に上昇したが、インフレが家計の購買力を圧迫しているとして、日銀による利上げは円安是正にプラスだという立場を明確にしている。
しかしながら、日本の財務省は金利上昇とは反対の行動にでようとしている。ということは円安が継続してもおかしくない。
リスクシナリオとして頭に入れておくべきことは、仮に原油価格が再び100ドルを超え、120-150ドルを試すような展開となり、ドル円が170円台、さらに上値を試すようなことになれば、日本のインフレ率は5%を大きく上回ることになるということだ。
その時に投資すべきは、本当に国内の資産なのでしょうか?

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