篠原金融塾 グローバルマーケット(週次) 

米ドルが弱い。

米ドルは、Flight to quality(質への逃避)の動きが起こると買われる通貨だと言われてきた。実際に、新型コロナの感染拡大で市場が大混乱した3月には投資家が米ドルなどの安全資産に資金を逃避させ、米ドルは堅調に推移した。

4月末以降の経済再開に伴い、市場が落ち着きを取り戻し、リスクオンの展開となると、米ドルに逃避された資金の巻き戻しの動きを受け、米ドル安の展開となったが、足許とても気になる動きが出てきている。

リスク選好の動きが後退したことで、米ドルが売られている。今回はアメリカ売りだ。新型コロナウイルス感染者の増加継続や米国の新型コロナ対策法案の遅れ、米中間の緊張懸念などを背景に、先週米ドルは大きく売られ、約2年ぶりの安値を形成。米株式市場は、週間では3指数とも下落。S&Pとダウは4週ぶりの下げ、ナスダックは過去4週間で最大の下げとなっている。

欧州でのポジティブな動きがこの動きに拍車をかけているのかもしれない。新型コロナウイルス禍で落ち込んだ経済の立て直しに向け、欧州委員会が提案した7,500億ユーロの復興基金案を巡って協議していたEU首脳は、3,900億ユーロの補助金と3,600億ユーロの融資を配分することで合意に達し、復興基金の原資として資本市場から最大7,500億ユーロを調達することを承認した。

支出案はまだ欧州議会と加盟各国の承認を必要とする。従って、その承認には相当な時間を要する可能性もあるが画期的な話だ。イタリア国債(BTP)は、先週大きくアウトパフォームしている。

EUの執行機関である欧州委員会が共同債を発行する。どんなレベルで発行されるか?既発債の水準から考えると、フランス国債(OAT)と同様の水準だと思われるが、過去にこんな規模で発行されたことはないので何とも言えない。

斯かる状況下、28、29日にFOMCが開催される。米国で確認された新型コロナ感染者は400万人を突破。死者は14万3,000人超に上り、数千万人が失業した。金融緩和を強化することはあってもその逆はあり得ない状況だ。米共和党は、追加の新型コロナウイルス経済対策法案を今週発表するとのことだが、FRBによる金融政策なしには、金融市場の安定は望めない。米国債のイールドカーブのフラットニングの動きは止まらない。金利を下げるという伝統的な金融政策に限界があるからだ。

今週は、28,29日のFOMCに続いて、30日には米商務省が第2・四半期のGDP速報値を公表する。市場のコンセンサスは、マイナス35%となっている。同日、アップル、アルファベット、アマゾンが決算を発表することになっている。今週は注目すべき材料が目白押しで、忙しい週になりそうだ。


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