篠原金融塾 グローバルマーケットウィークリー 金利は上がる 3/5/2021

米国10年債がこんなに注目を集めるなんて初めてではないだろうか?先週1週間で米国10年債金利は17bp上昇、1.58%で越週。


FRBが更なる量的緩和(国債購入、モーゲージ債購入)を行えば、確かに金利の上昇は止まるかもしれないが、今FRBに出来ることは、おそらく短期債を売って、長期債を買うというツイストオペを導入することぐらいでしょう。


利上げを実施すれば、景気回復期待、インフレ期待ともに抑えることが出来るので、長期金利の上昇は一服するでしょうが、パウエルFRB議長は「最大雇用と長期的に平均2%のインフレ率を達成するという目標には、まだ遠い道のりにある」と労働市場が回復するまでは金融緩和策を維持する考えを改めて示したわけであり、出口の話をすること自体がまだ先の話だ。


パウエル議長は、国債利回り急伸についての質問には、「注意が必要」と述べているものの、この程度の金利上昇で、この程度の株式市場への影響であれば引き続き注視と言う姿勢を継続するはずだ。今月16~17日開催FOMCに注目が集まるが、目新しいことが出てこない限り、長期金利の上昇は止まらない。


財政面を考えてみよう。イエレン財務省長官は、増税を行うのは先の話と発言している。ということはバイデン大統領が大規模な財政政策を実施する限り、国債の入札額は圧倒的に増えることになる。


今週のマーケットが激しく動けば、FOMCで何かしらの決定が行われるかもしれません。逆に、落ち着いた値動きとなれば、FOMCで新しい話は出てこないでしょう。その場合には金利は引き続き上昇するでしょう。取敢えず、米国10年債1.75%では買いが入り一旦は揉み合い。それでもFRBが動かなければ、金利は上がる。その次のターゲットは2.00%。


今話を聞けば、世界的に低金利の状況下、米国10年債の2.00%は買いたいという投資家は多いでしょう。しかしながら、実際に2.00%まで金利が上昇すると、更なる金利上昇が怖くなるのは当然で、急いで買う必要がないという投資家が増えるでしょう。一旦ポジションを縮小しようという投資家が出てくるかもしれません。


米労働省が5日に発表した2月の雇用統計は、非農業部門雇用者数が前月比37万9000人増と、市場予想の18万2000人増を大幅に上回る伸びとなった。現在もまだ1000万人の失業者が支援を必要としているものの、ワクチン接種を受けて、経済が再開されつつあり、アメリカの1qGDPはかなり強い内容になりそうだ。実体経済、株式市場にとっては良い話であることは間違いないが、一方国債市場にとっては良い話ではない。経済が正常化していけば、国債市場から株式市場に資金が流れるのは自然な動き。しかしながら、市場が長期金利に注目している限り、株式市場の頭も重いはずだ。


また、市場が注目しているコンベクシティヘッジが入るかどうかは金利上昇のスピードの問題。じりじり金利が上昇していく限り、コンベクシティヘッジが「主導する金利上昇」にはならないはずだ。モーゲージポートフォリオのデュレーションは金利が低下すると短くなり、金利が上昇すると長くなる。金利上昇のペースが加速すると、原資産のモーゲージローンの期限前償還の予測が難しくなり、投資家が思っている以上にデュレーションが伸びてしまい、何もしなければ、ロングポジションが増えてしまうことになる。ポートフォリオマネージャーにとって、最も大切なことは期限前償還の予測が正しいかどうかだが、金利上昇のペースが速いとこの予想が当てにならなくなる。今年に入ってからの金利上昇局面で既にそれなりの対応は行っていると思われるものの、今週米国10年債が1.75%を目指すような展開となれば、コンベクシティヘッジはおそらく入ってくると考えておいた方が良いでしょう。




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