篠原金融塾 FRBによるマイナス金利政策

景気は本来循環すべきものである。循環させないことにより、世の中に過剰な労働力、過剰な施設、過剰な在庫が溜まらない。家計・企業・政府が一体となって、好況もなければ不況もない時代を作ってきた。

今回は財政政策・金融政策でも防ぐことが出来ない新型コロナウイルスの感染拡大により、それを防止する為に、人工的に過剰な労働力、過剰な施設、過剰な在庫を作り、結果として大不況に突入した。それが今の世界経済だ。

世の中にマイナス金利を積極的に導入したいというセントラルバンカーなどいないだろう。FRBは以前よりマイナス金利の導入に否定的な立場を表明している。

私もそう思う。マイナス金利政策を行わないといけない状況は経済がデフレの時だと私の眼には映る。モノの価値が上がらないどころか下がる。カネを持っていれば、カネの価値が下がっても、モノの価値がもっと下がるので、相対的にはカネの価値が上がっていくというのがマイナス金利の世界だ。1年後にはもっと安く買えると思えば、今買う人はいない。借金をして投資するより、カネを持っていたほうが良くなる。一旦このように物事を考える癖がついてしまった人たちがその考え方を変えるのはなかなか難しい。

人々にとってもっとも大事なものがカネになる。貸金庫に大切なモノを預ける感覚で、普通預金にカネを寝かしている。マイナス金利を付与するということになれば、本当に人々はカネを貸金庫に動かすだろう。

本来カネを持っていることはコストだ。カネは持っているだけでは何も生みださない。従って、カネは動かさないといけない。マイナス金利政策で、そのカネが貸金庫に寝るとすれば、なかなか出てくることはない。つまりマイナス金利政策に出口はない。

パウエル議長は13日もマイナス金利導入は「米国にとって魅力的な政策ではない」と、否定的な考えを強調した。銀行の収益力低下などの副作用があると指摘し、「我々が使う政策手段ではない」と説明した。

その通りだと思う。

それでも市場参加者は、マイナス金利政策の可能性を排除することは出来ない。パウエル議長は、米景気の低迷に関しては、「範囲や速さは前例がなく、第2次世界大戦後で最も悪い」と指摘。悪影響が長期化することへの懸念を示し、「より深く、より長い不況が経済に永続的なダメージを残す可能性がある」と警鐘を鳴らした。

CPI、PPIなどインフレ指標が軒並みマイナスを示している。デフレとの闘いが悲惨なことはセントラルバンカーなら誰もがよく知っている。

市場の織り込みはパウエル議長の発言を受けてやや後退したものの、FRBの議長がこれだけ景気の先行きに慎重な見方をしているとなると、トレーダーは引き続き来年前半のマイナス金利導入の可能性に備えざるを得ない。



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