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暇なときに アメリカでインフレが顕在化したらどうなるのか?

FRBは、インフレ率については、年内FRBの目標である2%を上回るものの、それは一時的なものである可能性が高いとの考えを示しているが、少し心配になってきた。アメリカが強烈なインフレ率の上昇を最後に経験したのは1970年代から80年代の前半の話であり、ウォール・ストリートの専門家にとっても歴史上の出来事だからだ。


1973年には、食料品、金属、石油などほとんどすべての商品の価格が急上昇、その年の夏までにインフレ率は11%へと跳ね上がり、1980年まで年率で2桁に近いインフレ率が続いた。当時のFRBに出来たことは、強烈な利上げだ。結果的にインフレは抑え込んだものの、その後深刻なリセッションに陥った、とのことだが、私もその時の相場は知らない。


従って、今回はあの当時のようなことにはならないと私も含めて何となく思っているが根拠はない。特に日本人にとって、インフレは30年以上も全く心配する必要がなかったので、想像力が働かない。金融政策、財政政策総動員で景気を刺激し続けるアメリカでは、ワクチン接種が進み、経済再開が進み、人々が待ちに待った通常の世の中が戻ってきそうだ。個人はエコノミストたちのように合理的には行動しないし、この高揚感を、日本人、エコノミストたちはきちんと予測できるだろうか?


仮に本当にインフレ率が大幅に上昇してしまった場合、デフレ退治が容易でなかったようにインフレ退治も物凄い痛みを伴うものになることは間違いない。大きな問題は、もう30年以上もインフレと戦ったことがないということだ。その場合には、債券・株・為替のトリプル安の展開になってしまう可能性が高いのだろうか?


FRBに大丈夫と言われても、コアCPIが実際に3%に上昇すると、市場は大きく動揺している。今週に入って、米国10年債は10bp金利が上昇、ダウ平均は3%、ナスダックは5%以上値を下げている。日経平均も本日は28,000円を割れて引けた。


一年後に「やっぱりインフレは一時的なものだったね」と言えるのであれば、その時には、将来の為に、サプライチェーンが寸断し、需要過多の状況下、何故インフレ率の上昇が一時的なもので顕在化しなかったということをしっかり検証する必要があるでしょう。そしてもっと大切な本当の問題は、その場合に株価と金利はどのレベルにいるのかということでしょう。難しい。





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