篠原金融塾 グローバルマーケット(週次)

トランプ米大統領は、2兆ドル(約220兆円)規模の景気対策法案に署名し、米史上最大の景気対策パッケージが成立した。


米株式市場は引き続きボラタイルな展開が続いているが、前週比大幅に続伸する展開となった。米労働省が発表した3月21日までの週の新規失業保険申請件数は急増したものの、市場は景気対策による景気の下支えに期待を寄せた格好となっている。


これを受けグローバルに株価は戻している。今回の対策が米経済を支えることは間違いない。FRBによる異次元緩和は、市場の流動性を支えることは出来るが、景気を押し上げる力はない。しかしながら、必死の金融政策に異次元財政出動が加わり、政策当局者の何としてもアメリカ経済を支えようという強い意思が市場に伝わっている。


それでも米国10年債は大きく買われ、前週比21bp金利は低下し、0.676%での越週となっている。イールドカーブは大幅にフラットニングしており、とても安心できる状況ではない。


新型コロナウイルス感染拡大防止策として行われていることは、「ヒトの流れを止める」ことだ。


通常の場合、景気が悪くなると、モノの流れが悪くなり、結果としてヒトの流れ、カネの流れが止まってくる。ということは世界各国が感染防止への取組みを強化すれば強化するほど景気は悪くなるということだ。それは大変だと言って、逆に感染防止策を緩めれば、感染が広がり、その結果として、モノの流れ、ヒトの流れが止まる。


FRBがカネの流れが止まらないように金融政策を実施し、政府がモノ・ヒトの流れを止めることによるダメージを軽減する為に財政政策を実施する。アメリカの政策は正しい。


だからといって、リセッション入りを防ぐことは出来ないだろう。ヒトの流れを政策として止める影響はあまりにも大きい。日本でも学校・企業を2週間クローズし、原則全国民を2週間外出禁止にすれば、少なくとも感染者・非感染者の分類が可能になるはずだ。そして感染者を監視下に置き、医療を行うことが出来るので、パニックにはならない、、はずだ。


しかしながら、これを実施した場合、経済的なダメージは強烈だ。このダメージを政策で補うことが出来るのであれば直ちに実施すべきだが、いくらお金が必要なのか正直分からない。


何度も同じことばかり言っているが、日本のみならず、アメリカのリセッションを回避することは難しい状況だ。経済的には過去に経験したことのないような大不況が目の前に迫っている。過剰流動性が大量に流れ込んでいたクレジット商品が売られるのはこれからだと思うが、落ち着けば金融商品の値はそれなりには戻すだろう。しかしながら、自然災害・地政学リスクと異なり、感染症拡大に復興需要はない。従って、V字回復は期待しないほうが良い。


投資家が今出来ることは、引き続きリスクを縮小することだ。


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