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暇なときに 「いんちき」

「いんちき」を辞書で調べると、「勝負事・賭博などで,相手にわからないように不正をすること。いかさま。」、「ごまかしや手抜きがあったり,偽物であったりすること。本物でないこと。また,その様。」などと説明してある。


今回の某中古車販売大手がやったことはまさに「いんちき」だ。そして業界大手の会社が行った「いんちき」だということが問題を更に大きくしている。他人ごとではないと思っている会社経営者、サラリーマンも少なからずいるはずだ。何はともあれ、世の中は、簡単にはこの「いんちき」を許さないでしょう。きちんとやっている殆どの競合他社にとっては迷惑な話だ。


また、不正を知っていて、その不正を防ぐことが出来るのに、行動を起こさずに、黙って上司の指示に従った社員にも、残念ながら責任はあると私は思う。


金融業界で長いこと働いているが、大手の金融機関でここまでの「いんちき」をできる体制になっている組織はもはや存在しないと信じたいが、金融業界にも波及しそうな展開になってきている。損害保険会社にも言い分はあるだろうが、知らなかったでは済まされない問題かもしれない。


記者会見によれば、現場が勝手にやったことで、役員は、全員何も知らなかったそうだ。前社長と前副社長は責任を取って辞任した。株主に対する責任と言っても、株主は、前社長と前副社長だ。どうしようかはもちろん彼ら次第だが、被害を被った人たちに対して何とも思っていないのだろうか?


主務官庁は、内閣府(経済産業省・国土交通省)だと思うが、仮に金融当局だとすれば、この説明では許されないだろう。


新社長によれば、今回の件に関する説明に国土交通省は理解を示してくれたそうだ。一般社団法人日本中古自動車販売協会連合会という組織がある。全国の中古車販売店からなる業界唯一の一般社団法人で、公正な流通や消費者利益の保護など業界の健全化を目的に、販売店が集まって立ち上げた団体だという。信頼のお店づくりを目指し、加盟店へ不正販売防止の指導や教育を行なっているそうだが、一体どんな指導や教育を行ってきたのだろう。


この問題の今後については識者に任せることにするが、日本全体として考えた時の、本質的な問題は何だろう?ガバナンスとかコンプライアンスといった方向へ話は進むと思われるが、社員の行動を変えることに解決策を見出すことはできないのだろうか?


仮に私が社員だったら、不正を要求され、理不尽に降格人事が行われるようなことがある会社は、退職する。その際、不正については、人事部、役員には説明するだろう。そういう社員が増えれば、会社が人手不足で立ち行かなくなるので、人事部、役員も何らかの行動に出るはずだ。しかしながら、問題が世の中に明らかになる前に自ら退職することを決断できない人も少なくないはずだ。当然だ。


最大の問題は、「上司の指示は絶対、部下はなかなか言いたいことが言えない」という文化なのでしょう。


あなたは工場で働く労働者です。工場長の、「1台平均14万円の修理代を確保、そのためには不正してもよい」というあなたへの指示を「良いと思いますか?悪いと思いますか?」とテストに出せば、100人いれば100人とも「悪い」と答えるでしょう。おそらく、この問題を間違える人はいないでしょう。でも、実際の世の中では、「それはできません」と言えない人が殆どだということです。


この問題は、日本のサラリーマン社会は引き続きそんなに簡単に上司に物が言える文化ではないということを物語っているのかもしれません。そして今回の問題では、記者会見の前社長の発言から考えると、工場長からの指示を受けた社員の誰一人として役員にこの問題を報告すらしていないということになる。前社長の発言に嘘がなければ、社員にも大きな責任があるのは明らかだ。


戦後の日本の教育制度は、年功序列、終身雇用制度の下で、従順で上司の指示に従う均一な労働者を育成するために作られたというのが私の理解。落ちこぼれを作らない一方で天才を作り出すことも念頭にない。同調圧力は強く、人と違ったことをする学生には変わっているというレッテルを張る。その文化がサラリーマンになっても続く。上司に忖度する文化は、グローバルに存在するが、日本は特別だ。じゃあどうするか?


学校教育で本当に必要な教えとは、ある問題の解決策を導き出すときに、どうやって自分の考えを相手に伝えるかということだと思う。議論の際には、様々な解決策の中からベストなものを導き出すために、各々が自分の意見を主張するが、それはお互いのキャラクターを攻撃することではないということを小さいころから教える必要があるでしょう。


上司からの指示がおかしいと思ったときに、あなたはどうしますか?


部長に対して、平社員のあなたが、「あなたは間違っています」と言ったとしても、殆どの部長たちは「私は間違っていない、あいつは生意気だ。」と怒るでしょう。これは仕事上の会話だけで起こることではなく、日常の会話でもよくあることでしょう。


「間違っている」ことを指摘されると殆どの人は怒る。だから、議論の際には、「私ならこうします。」という言い方に社員たちも変えていくことが必要になってくる。


「部長の指示は理解しましたが、私はこういう対応の仕方もあると思いますが、いかがでしょうか?」 仮に部長が「君は間違っている。私の案でやろう。」と言ってくるケースで納得がいかない場合は、部長案の駄目なところを指摘するのではなく、自分の案の優れているところを主張すると良いでしょう。


また、部長案が不正に関することであれば、「私は不正を行うことはできません。私ならこうします。」と主張することが社員としての正しい行動ではないでしょうか?


不正を知っていて、その不正を防ぐことが出来るのに、行動を起こさずに、黙って上司の指示に従った社員にも、残念ながら責任はあると私は思う。



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