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執筆者の写真篠原竜一 代表取締役社長

暇なときに 篠原金融塾 米国の金融政策(FOMC)

FOMCでは、FF金利の誘導目標を2.25〜2.5%に据え置くことを決めた。FOMC声明文を見てみよう。


労働市場は引き続き力強く、経済活動は緩やかなペースで拡大している。ここ数カ月の雇用の伸びは堅調で、平均すれば、失業率は低水準にとどまっている。家計支出の伸びは今年初めから加速したが、企業の設備投資の指標は軟調。コアの物価上昇率は2%を割り込んでいる。長期のインフレ期待はほとんど変化していない。


➡インフレ率、企業の設備投資は確かに気になるところだが、ファンダメンタルズから考えると今すぐ金融緩和が必要な状況ではない。


委員会は引き続き経済活動の持続的拡大、力強い雇用情勢、2%の目標に近いインフレ率という結果がもたらされる可能性が最も高いとみているが、この見通しに関する不確実性は高まっている。


➡不確実性とは何だろう?


こうした不確実性ならびに抑制されたインフレ圧力を踏まえ、委員会は今後入手される情報が経済見通しに及ぼす影響を注視し、力強い労働市場および2%の目標に近いインフレ率と合わせ、拡大を維持するために適切な行動を取る。


➡今後入手される情報が経済見通しに及ぼす影響を注視する?


委員会はFF金利の目標レンジに対する今後の調整の時期と規模を決めるにあたり、目標とする最大雇用および2%のインフレ目標に照らし、経済の実績と見通しを評価していく。この評価では、労働市場環境の尺度やインフレ圧力とインフレ期待の指標、金融および国際情勢の解釈を含む幅広い情報を考慮する。


➡不確実性というのはおそらく国際情勢だ!


ということで、FRBが考えていることは理解できたが、しっくりこないのは私だけでしょうか?


FRB当局者が公表した金利見通しでは、17人中8人がFRBは年内に利下げをする必要があると予想。それも8人中7人のメンバーは25bpの利下げを2回と考えている。ということは当然のことながら、市場参加者のコンセンサスは、年内少なくとも2回の利下げ。金利は上がらないどころか下がるでしょう。 東京時間18時20分現在、2年債は1.7%、10年債は1.99%。カーブはスティープしている。



私がしっくりこないのは、貿易摩擦が激化し明らかになってくる問題は、金融政策によって対応する問題なのかと言う点。金融緩和を行い、株式を中心にリスク資産を支えることによって米経済を支えるっていうのは理解が出来ません。


貿易摩擦により世界経済全体が弱含むことで、米経済の著しい減速を招くとしても、それに対応する為にFRBが利下げをし、何を解決しようとしているのでしょう?


どう考えても財政政策で対応すべき問題だと思います。それを金融政策で対応するということは、過剰流動性で経済を支えるということと同義であり、先行きの金融市場は混乱するでしょう。



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