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篠原金融塾 グローバルマーケットウィークリー 7/31/2026

週央、世界的に株式市場が大きく崩れそうだと肝を冷やしたが、マイクロソフ​トが発表した決算で、クラウ​ド事業の成長見通しが​市場予想を上回り、AI向けデータセンター投資の過剰拡大を巡る懸念​は和らいだ。加えて、アマゾンの第2・四半期決算が、企業によるAI関連支出の拡大が追い風にとなった。クラウドコンピューティング部門「アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)」の売上​高の伸びが予想を上回ったことを受け、年間設備投資の見通しが引き上げられたこ​とで、AIサービスへの需要が大規模なインフラ投資を正当化するのに十分⁠なほど強いことも示された。これを受け、週末に向けて株式市場は大きく買い戻される展開となった。

 

斯かる状況下、今週は日米の中央銀行による金融政策決定会合が開催された。米連邦準備制度理事会(FRB)が開催した連邦公開市場委員会(FOMC)で、政策金利であるフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を3.5~3.75%のレンジに据え置くことを決めた。地区連銀総裁3人は利上げを支持して反対票を投じ、インフレが5年にわたって目標を上回り続ける中、FRB内で行動を求める圧力が高まっていることが浮き彫りになった。

 

ケビン・ウォーシュFRB議長は、インフレを終わらせると公言しているが、FRBが金利を据え置く一方で長期金利が上昇しているという状況は、マーケットは、FRBの政策が後手に回っていると考え始めているかもしれない。米国債はベアスティープ(金利上昇、短期金利に比べ長期金利が上昇)している。

 

いずれにせよ、借り入れコストが近いうちに下がることは期待できそうにない。FRBの政策金利は据え置かれたが、米長期国債利回りに連動する住宅ローン金利は上昇している。今週は、財務省・日銀による介入が実施されたが、市場では財務省が米国債を売却しているのではないかとの思惑も広がり、30年固定住宅ローンの金利は6.83%に上昇している。

 

ウォーシュ議長は、市場が決定する金利が前回会合以降、名目とインフレ調整後の両方で上昇していることに言及し、FRBは行動していないにもかかわらず政策が引き締まった兆候だと指摘。「このためわれわれはいくらか安心している」と述べているが、このコメントはセントラルバンカーとしてはいかがなものだろう?FRB議長がこういう考えを持っているのであれば、市場参加者は躊躇なく米長期国債を売ってくるかもしれない。

 

イラン戦争とAI開発による物価上昇圧力にFRBがどのように対応するかには引き続き注目する必要がある。

 

一方、日銀も政策金利の据え置きを決定したが、日本の景気・物価についてどのように考えているのだろうか?

 

日本経済は今、長く続いたデフレの時代を抜け、原油高・AI需要・円安・人手不足・賃上げという複数の構造要因が同時進行する「新しい物価時代」に入っており、日本はもはや「低インフレが当たり前の国」ではなくなりつつあると考えているようだ。

 

賃金が上がり、それが価格に転嫁され、価格上昇が再び賃金の上昇を促す。欧米では当たり前のこの循環が、日本でもようやく動き始めた。原油価格は中東情勢の影響で高止まりし、企業のコストを押し上げる。半導体価格はAI需要の急拡大で上昇し、耐久財の価格を押し上げる。円安は輸入物価を押し上げる一方、輸出企業の収益を支え、株価には追い風となる。これらが同時に作用することで、物価は「2%を超える時代」に入ったという考え方に基づき、日銀は政策金利を引き上げ、金融緩和の度合いを調整していくだろう。

 

為替介入は短期的な効果しかない。円安の根本原因は金融政策であり、利上げこそが本質的な対策だ。


引き続き中東情勢は心配だ。アメリカによるイランのエネルギー施設への攻撃が本当に行われるとすれば、市場のセンチメントは大きくかわる。難しいマーケットだ。

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