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篠原金融塾 停戦合意とインフレ グローバルマーケットウィークリー 4/10/2026

何はともあれ、アメリカとイランによる戦闘終結に向けた協議が、仲介国のパキスタンで始まった。

 

イラン側の要求は、イスラエルによるレバノンへの攻撃停止、凍結資産の解放、制裁解除、ホルムズ海峡の主権的管理の承認、米軍の地域撤退など。

 

アメリカ側の要求は、イランの核開発・濃縮ウランの制限、ミサイル能力の大幅削減、ホルムズ海峡の完全再開など。レバノンは停戦の対象外であり、イスラエルの攻撃停止は交渉条件ではないというのがアメリカの主張。

 

交渉はスタートしたことは良いことだが、双方の隔たりは大きく、戦闘終結に向けて双方が譲歩できるかは不透明だとしか言いようがない。特に、ホルムズ海峡の扱いが決定的に対立している。完全開放するには、機雷の除去も必要だ。そもそもレバノン情勢が悪化すれば、交渉は即座に中断する可能性すらある。

 

そうは言っても、交渉のテーブルに着いたということは、双方とも戦争継続のコストが大きいということだろう。交渉が纏まることを期待したい。

 

原油価格は交渉決裂なら再び110-120ドルを試す可能性があることから、下値の目途は90ドルといったところか?この2週間は90-110ドルで推移しそうだ。


停戦の報を受けて、株式市場は急反発しているが、停戦は2週間だ。レバノン情勢、ホルムズ海峡の状況も引き続き不透明であり、ショートカバー一巡後は、ボラタイルな展開が続くだろう。債券市場は、インフレ懸念が払拭されたわけではなく、頭の重い展開が続くだろう。

 

米国とイランの停戦は、足許の世界経済への深刻なダメージを和らげることは事実だが、8日に公表された3月17~18日の連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨によると、当局者の「大多数」がインフレ抑制に向けた進展は予想よりも後ずれする可能性があると考えている。

 

財の価格に対する関税の影響が薄れるのにかなり時間を要するかもしれないこと、原油価格高騰が基調的インフレ指標に波及しつつあること、目標を上回るインフレ率が何年も続いたせいで、消費者や企業がさらなる物価上昇を受け入れやすくなるリスクがあるという。

 

停戦は、少なくとも最悪の経済シナリオを排除する方向に働くが、同時に、紛争発生後に上昇したエネルギーや財の価格は完全には元に戻らないかもしれない。


景気後退の確率が下がるにつれ、インフレ高止まりの確率は上がる。あまりにも複雑なシナリオにFRBは正直困っているだろう。

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