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篠原金融塾 FOMC声明

FRBは、予想通りFOMCで政策金利の現状維持を決定した。記者会見でパウエル議長は、新型肺炎の感染拡大には「世界景気への影響を注視する」と述べた。


また、バランスシートの拡大については、「現状の金融政策を効率的かつ効果的に実施するためだ」と主張した。飽くまでも、短期金融市場で資金不足が強まり、昨年9月に金利が急騰し、その後も金利上昇圧力は収まらなかったため、FRBは金融機関が持つ短期国債を担保に大量の資金を供給してきたということであり、量的緩和の再開ではないとのことだ。このオペレーションが米株の押上げ要因になったという市場参加者も多かったので、短期的には株の下押し要因になる可能性も。


FRBが新型肺炎が世界経済にどのような影響を与えるか注視しているのは当然のことだが、少なくとも金融引き締め方向には見ていないことは確実であり、当面低金利状況が継続するものと思料。


声明文は以下の通り。


FOMCが12月の会合以降に入手した情報は、労働市場が引き続き力強く、経済活動が緩やかなペースで上向いてきたことを示した。ここ数カ月の雇用の伸びはおおむね堅調で、失業率は低水準にとどまっている。家計支出は緩やかなペースで伸びているものの、企業の設備投資と輸出は弱いままだ。前年同月比で見た総合的な物価上昇率と、食品・エネルギーを除く物価上昇率は2%を割り込んでいる。市場に基づくインフレ見通しは低水準にとどまっており、調査に基づく長期のインフレ期待にはほとんど変化がない。


委員会は法定の使命に従い、雇用の最大化と物価安定の促進に努める。委員会はフェデラルファンド(FF)金利の目標レンジを1.50~1.75%に据え置くことを決定した。委員会は、金融政策の現行のスタンスが経済活動の持続的拡大、力強い雇用情勢、委員会が目指す対称的な2%の目標インフレ率への回復を支える上で適切だと判断した。委員会はFF金利の目標レンジの適切な道筋を検討するにあたり、世界情勢や抑制的なインフレ圧力など入手される情報が経済見通しに及ぼす影響を引き続き観察していく。委員会はFF金利の目標レンジへの今後の調整の時期と規模を決めるに当たり、目標とする最大雇用および対称的な2%のインフレ目標に照らし、経済の実績と見通しを評価していく。この評価では、労働市場環境の尺度やインフレ圧力とインフレ期待の指標、金融および国際情勢の解釈を含む幅広い情報を考慮する。


金融政策行動に賛成した委員は以下の通り。ジェローム・パウエル議長、ジョン・ウィリアムズ副議長、ミシェル・ボウマン、ラエル・ブレイナード、リチャード・クラリダ、パトリック・ハーカー、ロバート・カプラン、ニール・カシュカリ、ロレッタ・メスター、ランダル・クオールズ。

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