篠原金融塾 グローバルマーケットウィークリー 8/28/2020

28日に安倍晋三首相が辞任する意向を表明。トランプ大統領就任時には、アメリカの悲劇は日本のように毎年総理大臣が変わらないことだと皮肉を言うアメリカ人もいたが、この毎年のように総理大臣が変わる日本というイメージを払拭した安倍政権が終わりを迎える。

森友学園問題、加計学園問題など首を傾げたくなることがあったのも事実だ。それでも日本のリーダーとして安倍首相以外は考えられなかった7年8カ月。北朝鮮による日本人拉致問題解決やロシアとの平和条約締結、憲法改正が実現できなかったことに触れ「痛恨の極みだ。志半ばで職を去るのは断腸の思いだ」と言葉を詰まらせながら話す安倍首相に胸が熱くなった。

毎年総理大臣が変わっていた時代は、日本の総理大臣の辞任は「次は期待できるかも?」と市場参加者にポジティブに捉えられることが多かった。海外投資家にとって安倍首相はアベノミクスで株価を押し上げた立役者であり、何よりも安定政権のリーダーであり、安倍首相辞任は、ネガティブに受け止められる可能性がある。日本は、短期的にはリスクオフの展開となるのかもしれない。

アメリカでは、新型コロナ感染拡大防止が上手く進まず、失業率も10%を上回る状況となっている。加えて、大統領選が本格化、先行き不透明感が強まる中、米中対立も激化している。そんな状況であっても、市場の過剰流動性が株式市場に流れ、株式市場が高値をとりにいっている状況だ。その過剰流動性を市場に供給しているのはFRBだ。

斯かる状況下、パウエルFRB議長が27日のジャクソンホール会合での講演で、FRBが新たな戦略を講じる方針を全会一致で承認したと公表した。市場の反応はどうか?

株が買われ、米国債金利は2,3年債が買われる一方、10,30年債が大きく売られ、イールドカーブがスティープする展開となった。

米国10年債(名目金利)は0.72%(前週比+8bp)で越週。これを実質金利と期待インフレ率に分けて考えると、名目金利(米国10年債)0.72% = 実質金利(米国10年物価連動債)-1.05% (前週比-5bp)+ 物価上昇率(期待インフレ率)1.77%(前週比+13bp)。従って、パウエル議長講演後の金利上昇の要因は、期待インフレ率の上昇だということがわかる。

この結果にはパウエル議長は満足しているだろう。パウエル議長は期待インフレ率を金融政策によって引き上げることが出来れば、実際のインフレ率は上昇してくると考えている。そして、そのインフレ率が2%に到達し、2%を上回ったとしても暫くは放置するというメッセージを市場におくったのである。大きな問題は、期待インフレ率を押し上げることにより、FRBがターゲットとする平均インフレ目標の2%に到達するのかということだが、市場は素直に反応し、短期金利は低下、長期金利は上昇している。アメリカはリスクオンの展開が続きそうだ。

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