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篠原金融塾 ワクチン! 5/19/2020 火曜日

月曜日のNY市場では、バイオ医薬大手の米モデルナが開発を進める新型コロナウイルスワクチンが初期段階の小規模治験で有望な結果を示したと発表し、米株式は急伸。待ちに待ったニュースだ。S&P総合500種は終値ベースで10週間ぶりの高値を付けた。ダウ工業株30種は911ドル高で取引を終えた。

コロナショックで失業率も上がり、大恐慌なんて声が聞こえてきているのに米株は上昇。何が起きているのかよくわからないという声も多い。

1-3月期の景気は悪かった。4-6月期はどん底だろう。7-9月期にはプラス成長に戻る。そしてどれだけの反動増となるかに市場の注目は移っているからだと思う。


世界的に5月から経済の再開が始まり、6月以降本格化し、北半球では夏を迎える。ここでどれだけ世の中が動き出すかだ。今が最悪期だということはすでに市場は織り込み済みだ。経済の再開が始まったという認識に加え、ワクチン・治療薬という話には、市場は飛びつく。モノ・ヒトの流れが加速するからだ。

だからといって、第2波が来ないと楽観視しているわけではないと思う。だからこそ、ワクチン、治療薬のニュースは重要だ。米国債金利も大幅に上昇している訳ではない。FRBは慎重で、ジャブジャブの過剰流動性を作り出し、市場を支えている。

日本、そして日本人は、状況証拠的にはもっと自信を持って良いのでは?

日本の新型コロナ感染者の感染率は、0.01%と圧倒的に低い。中国0.01%、韓国0.02%、台湾0.00%と同じようなレベルだ。一方、スペイン0.60%、イタリア0.37%、イギリス0.37%、ドイツ0.21%、アメリカ0.47%と欧米の感染率は圧倒的に高い。これだけだと日本は検査数が少なすぎるからという話になる。

そこで日本の新型コロナ感染者の死亡率を見てみると4.7%だ。中国5.2%、韓国2.4%、台湾1.6%だ。日本の検査数が少ないという批判が多いが、感染者が本当に10倍いるとすれば、感染率は上昇するが、死亡率は1%を下回ることになる。ますます自信を持って良い。

これに対し、イタリア14.2%、スペイン10.0%、英国14.1%、という死亡率は明らかに高い。一見、アジアと欧州ではウイルスが変異しているのではないかと思わせる差だ。しかしながら、ドイツは、4.6%、アメリカは5.9%であり、地域の問題とは決めつけられない。

今年に入ってからの東京都の死亡者数は、例年と比べ急増していない。東京都のデータからは、1-3月の死亡者数は3万3,106人と過去4年の同じ時期の平均を0.4%下回っている。今年3月の死亡者数は前年同月よりも428人多いが、2月は1,200人少ない。

日本は何だか滅茶苦茶上手くいっているとしかいいようがない。これでワクチンが開発されれば、先頭に立って経済を再開させて良いはずだ。かなり前のめりにアクセルを踏んでも、メディアは第2波を心配する報道を続けるので、多くの日本人は引き続き3密に気をつける。

大きな問題はひとつだけ。どうして日本では感染が爆発しないで、どうして死亡率が低いのかが我々一般市民にはわからないということだ。科学的に解明できれば素晴らしいが、今のところ、その理由がわからないので、どうしても慎重になる。ワクチン、治療薬の開発に市場参加者がオーバーリアクションする気持ちはよくわかる。

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