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執筆者の写真篠原竜一 代表取締役社長

篠原金融塾 グローバルマーケット(週次)

グローバルマーケットの値動きが凄まじい。年初来の値動きを振り返ってみる。


米10年債は111bp金利が低下し、0.773%。独10年債は52bp金利低下の-0.712%。仏10年債は45bp金利低下の0.115%。伊10年債は34bp金利低下の1.09%。日10年債は11bp金利低下の-0.134%。米国債が大幅にアウトパフォームする形で、グローバルに国債金利が大幅に低下している。


株式は、Dow-2,597、S&P-249, Nasdaq -179、DAX -1,707、FTSE -1,125、Nikkei -2,907、Shanghai -6、と総じて売られている。Dowは-10%、DAXは-15%、Nikkeiは-14%のリターンだ。意外なのは上海株だ。年初来で見てみると略変わらずの水準だ。VIX指数をみると14.82→41.94へと何と65%も上昇している。先行き不透明感から市場のボラティリティーは高止まるだろう。


ドル円は3円50銭の円高で105円台前半。原油価格は62→42ドルへ下落している。金価格は1,674ドルと年初来約10%の上昇だ。


既に市場は、FRBによる追加緩和を催促している。通常のマーケットであれば、米国株は金融緩和を好感し、サポートされるが、今回ばかりは思ったように株の買い戻しは入ってこない。


911テロとリーマンショックが一緒にやってきたようなマーケットなので仕方ない。サプライチェーンが止まり、過剰流動性は国債市場に流れ、株・クレジット市場には流れない。


株・クレジット商品は、まだまだショートが溜まっているようなマーケットではない。ロングポジションをどのようにマネージしようか頭を抱えている投資家が多いだろう。国債金利が低下を続けているのでまだ表面化していないが、低金利環境下、過剰流動性を抱え、クレッジット商品をオーバーウエイトしている投資家は多いはず。大混乱のマーケットはまだ始まったばかりだ。


アメリカ国内の新型コロナウイルス感染の本格的な拡大はおそらくこれからで、当面積極的に株の押し目を買おうという向きは少ない。ニューヨーク マンハッタンにある大学でも感染者がでたようだ。年がら年中多くの人が集まるマンハッタン内で感染の拡大を防ぐのは難しいだろう。


とても気になるのは金融機関の従業員だ。既にトレーディングフロアで働く従業員をトレーディングフロア・自宅・バックアップサイトなどに分散している会社が多いはずだが、仮にトレーディングフロアから感染者が発生してしまうとトレーディングフロアをクローズしないといけない状況になってしまうため、思うようなオペレーションが出来なくなる可能性がる。市場リスクのみならず、感染リスクをマネージしないといけないのは大変だ。


繰り返しになるが、こういう時に投資家が出来ることはリスクを縮小することだ。

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