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篠原金融塾 モノとヒトの流れが止まる~需要減の世界~

新型コロナウイルス問題の大きな特徴は、モノとヒトの流れが止まる事による需要減だ。


自然災害、戦争で物が破壊されれば、そこに需要が生まれる。しかしながら、感染症は、何かを物理的に破壊する訳ではないので、そこに復興需要は生まれない。


アメリカによる欧州からの入国を30日間禁止、スペイン・フランスで外出禁止。世界はヒトの流れを止めようとしている。


私は、911テロの時にWTCにいたが、テロ1週間後には飛行機は再開、東京からのサポートを得ることが出来た。私は、リーマンショック1週間前に東京からニューヨークに出張していた。週明けにリーマンブラザースが破綻した日にはニューヨークのトレーディングフロアにいたが、すぐに東京のオフィスに帰ることが出来た。あれほどの大きな事件の時もヒトの流れは止まっていなかった。今回は違う。


9/11テロとリーマンショックが同時に来た以上にマーケットは大混乱だ。この需要減を補う事は財政政策の出動しかない。


金融政策で出来る事は、流動性が枯渇しないよう資金供給を行う事であり、需要を作り出す事は出来ない。市場が落ち着きを取り戻した時には金融商品を押し上げるだけで景気は刺激しない。


そろそろ理論値では買いだというプロダクトが出てきている。しかしながら、安易に飛びつくのは危険だ。リスク許容度が極端に小さくなっているマーケットでは思ってもいない値動きになることが良くある。金が売られ始めた。本当かどうかはわからないが、金での儲けを現金化してマージンコールに充てていると説明する専門家もいる。ヘッジファンドの動向も気になる。


こういう時には、売られれば売る、買われれば買うという動きになりやすく、値幅の大きいマーケットになる。


東京オリンピックについては雲行きが怪しくなってきた。新型コロナウイルス感染拡大で各国が代表選びが出来ない。国内での予選が延期。大きな世界大会が延期。日本のピークが過ぎ、開催可能になっても、各国が代表を送れない状況もありうるからだ。


オリンピックに併せて行われる予定だったイベントも延期若しくは中止となるものが殆どだろう。モノ・ヒトの流れが止まり、イベントが開催出来なくなる。期待値が高まっていたので、いつも以上に影響が大きい。


株式市場のベアマーケットは始まったばかりだ。アフリカでも感染が広がり始めた。これから寒くなる南半球が心配だ。それでも世界中の人が知恵を出し合えば必ず乗り越えられるはずだ。


繰り返しになるが、投資家が今出来る事はリスクの縮小だ。

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