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執筆者の写真篠原竜一 代表取締役社長

米国留学情報 その3 留学生に出国迫る措置をめぐり米国の大学が猛抗議!

ハーバード大学とマサチューセッツ工科大学は、トランプ政権が発表した外国人留学生へのビザ発給の規制強化策を巡り、その差し止めを求めて東部マサチューセッツ州の連邦地裁に提訴した。

移民税関捜査局(ICE)が6日に発表した新たな規定は、新型コロナウイルスの影響で9月からの秋学期の授業が全てオンラインで行われる場合、米国の大学や高校の外国人留学生に対してビザの発給を行わないというものだ。従って、留学生は、米国への入国や米国滞在が認められない。既に米国に滞在している留学生に対しては、対面授業を実施する学校に転校するか、出国するよう求めている。

対面式の授業を開始する米国の大学や高校の外国人留学生に対してはビザの発給は行われ、米国への入国や米国滞在が認められるが、新型コロナウイルスのパンデミックが悪化し、秋学期の途中で授業が全てリモート授業に切り替えられた場合、留学生は出国を求められる。

また、新方針によると、対面とオンラインを組み合わせたハイブリッド型の授業を行う学校では、外国人留学生が米国に滞在しているか本国にいるかに関わらず、オンライン授業のみを受講することを認めないことには注意を要する。各学校に確認する必要があるが、日本人留学生が秋学期にハイブリッド型の学校に留学する場合、日本に残って全てをリモート授業で受けることは出来ないということだ。

ハーバード大学は、今週初め、キャンパス内に居住する学生向けも含め、秋学期の全ての講座をオンラインに切り替える予定だと発表していたので、多くの留学生が影響を受けることになる。

ハーバード大学とマサチューセッツ工科大学は、秋学期が始まるわずか数週間前に、これらの留学生が対面授業のある大学に編入することはほぼ不可能だと指摘。さらに「多くの留学生にとって、母国に帰ってオンライン授業に参加するのは現実的に無理であり、払いきれないほどの費用が掛かる。身の危険にさらされる恐れもある」と付け加えた。

今回の提訴にはコーネル大学も支持を表明している。対面とオンラインを組み合わせた授業を取り入れるコーネル大学の留学生にはビザが発給されるものの、ポラック学長は「全く予期していなかった動きであり、無分別かつ不当な方針だ。グローバル化にあらゆる面で逆行している」と批判している。

このようなリサーチ大学の動きに加えて、Colgate University, Hamilton College, Hobart and William Smith Colleges, St. Lawrence University, Skidmore College, Union Collegeから成るニューヨークシックス・リベラルアーツ・コンソーシアムの学長たちも、トランプ政権が発表した外国人留学生へのビザ発給の規制強化策の取り消しを求め、声明をだしている。

全ての学生が、ますます多様化する多文化社会で活躍するグローバル市民に成長するためには、キャンパス内での留学生や外国人研究者の存在は重要であり、大学教育にとって重要な外国人留学生の入国を制限する今回の決定は、世界のリーダーとしての米国の地位を脅かすことになると抗議している。

こうような抗議にもかかわらず、ICEによる方針(7/6, 7/7)が大幅に変わることはないとすれば、ハーバード大学のように秋学期の授業全てをオンラインで行う学校への日本人留学生は日本から授業を受けることになる。またコーネル大学のように対面とオンラインを組み合わせた授業を取り入れる学校への日本人留学生は、必ず大学に戻る必要があり、留学生に多くの選択肢がないのが気になる。

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