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篠原金融塾 ジャクソンホール グローバルマーケットウィークリー 8/19/2022

米連邦準備制度理事会(FRB)は17日、連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(7月26~27日開催分)を公表した。パウエルFRB議長が、将来の利上げはデータ次第と7月のFOMC後の記者会見で述べたことにより、金融引締めが近く終了するという見方がマーケットに広がったが、当面は、景気にブレーキをかけるために十分な利上げを継続し、インフレの鈍化が明確になるまで政策金利をその水準で維持する必要があるとの認識でFOMCメンバーが一致していることがわかった。


この議事要旨を受けて、グローバルに大きく国債は売られ、金利は上昇する展開となった。米10年債金利は2.98%での越週となったが、もう十分売られているのだろうか?


現在のフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標レンジは2.25~2.50%。9月のFOMCでは、50-75ベーシスポイント(BP)の利上げが実施されるものと思料され、FF金利の誘導目標レンジは、2.75~3.00%若しくは3.00~3.25%になる。従って、米10年債は、3.25~3.75%の水準まで売られるかもしれないと考えていたほうが良いだろう。


FRBも悩んでいるのは事実だろう。


金融政策スタンスをさらに引き締めるのに伴い、経済活動とインフレへの累積的な政策調整の効果を評価しながら、ある時点において利上げペースを減速させることが適切となる可能性が高いと判断している。


今週の注目は何といっても8/27に予定されているジャクソンホールでのパウエル議長の講演だ。



アラン・ブラインダー氏、ドナルド・コーン氏などの発言にも注目したいが、マーケットが最も注目しているのは、パウエル議長からどんな言葉が発せられるのかだろう。


2021年のスピーチでは、加速し始めていたインフレを「一過性のものにとどまる可能性が高い」と退け、低い失業率については「労働市場のスラック(たるみ)を過小評価している」と指摘、賃金上昇が過度のインフレを誘発する「賃金・物価スパイラル」の兆候はほとんど見られないとコメントしたが、その見方は完全に覆されている。


今年のスピーチでは、インフレは容認できないほど高いということ、そして、そのインフレ圧力を抑え込むためには金融引締めを継続する必要があるということを強調するだろう。


繰り返し言うが、市場参加者は勘違いしない方が良い。インフレ率の上昇がピークを打つと言ってもそれが直ちに利上げの終焉を意味するわけではない。利上げの最終地点は市場参加者が思っているよりずっと高いだろう。



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