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執筆者の写真篠原竜一

篠原金融塾 アメリカのCPIと日本の企業物価指数 グローバルマーケットウィークリー 4/15/2022

3月の米消費者物価指数(CPI)は前年同月比で8.5%上昇と、1981年以来の大幅な伸びを示した。しかしながら、米国債利回りはむしろ低下。コアCPIが前年同月比では6.5%上昇したものの、市場の予想を下回ったことがその理由だ。2カ月連続で前月から上昇率が減速、高インフレは続いているが、インフレ率の上昇がピークアウトしたかもしれないと市場は思いたいのかもしれないが、引き続き6.5%というコアインフレ率はFRBがとても容認できるレベルではない。一旦のショートカバーが終わり、週末にかけては長期セクターを中心に再び金利が上昇する展開となった。これからも金利は上がると考えていたほうが良い。


日本では、日銀が発表した2021年度の企業物価指数は、前年比+7.3%上昇。1981年以降、39年ぶりの最大の伸びとなった。同時に発表された3月の国内物価指数は、前年比+9.5%上昇。輸出物価指数の前年比+13.1%に対し、輸入物価指数は前年比+33.4%の上昇になった。


(日本銀行ホームページより抜粋)


輸出物価指数の内訳を見ると、金属・同製品が+29.7%、その他産品・製品が+24.5%、化学製品が+23.5%と全体を押し上げている。一方、輸入物価指数の内訳を見ると、石油・石炭・天然ガスが+84.4%、木材・木製品・林産物が+60.7%、と指数を押し上げている。飲食料品・食料用農水産物が+25.1%、金属・同製品+23.3%と続く。


金属・同製品、その他産品・製品、化学製品は、価格転嫁が出来ているが、素原材料の価格の大幅な上昇が今後の日本経済へ与える影響は小さくないだろう。


(日本銀行ホームページより抜粋)


13日には、ドル円が一時約20年ぶりの円安ドル高水準となる1ドル=126円台前半を示現。日本の2021年10-12月期の需給ギャップは、マイナス3.1%でマイナスは9四半期連続だ。金額に換算すると年間17兆円程度の需要が不足している。日本では、需要不足の中で物価が上昇しているということだ。斯かる状況下、FRBがインフレ率の上昇に対応し、金融政策の引締めを加速する中、日本銀行が需要不足にに着目し、低金利政策を堅持し続ければ、円売りが止まらない。悪い円安だ。このまま何もしなければ、130円、135円と円安が進んでもおかしくない状況だ。





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