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執筆者の写真篠原竜一 代表取締役社長

Chiyoda International School Tokyo (CHIST)

2019年11月に訪問


東京都千代田区四番町にある千代田インターナショナルスクール東京(CHIST)の学園長大迫弘和氏を訪ねた。


学校に入るとその施設の素晴らしさに驚いた。生徒は登校するとICカードをカードリーダーにタッチする。すると学校から保護者に対して自動的に連絡が入る。登校してきていない生徒の保護者にも学校から連絡が入る。下校する時も同様だ。


建物に入ると広いコミュニケーションラウンジがある。生徒、先生、職員、保護者が集うことが出来るスペースだ。リソースセンターには英語のみならず、日本語の本もある。自習も出来るスペースもあり充実している。


教室のセットアップはとてもユニークだ。どの教室にもソファがあり、机の配置も教室によって異なる。廊下はとても広くとられている。教室内だけでなく、生徒たちがリラックスして学べる環境を作っている。先生たちは、生徒たちがより良い環境で学べるように、Design thinking workshopなどにも参加して研究しているそうだ。各教室には、プロジェクターが配置され、インターネットへのアクセスもある。


IT教育にも力を入れており、Grade1からタブレットを使っている。ドローン、ロボットなどのプログラミングにも取り組んでいるそうだ。


ランチはお弁当を持参する生徒もいるが、オーダーも出来る。広い体育館はスポーツのみならず、課外活動にも幅広く使われている。


CHISTは、2018年に初等部を開校、2019年に中等部(Grade6)・高等部(Grade10)を開校した新しい学校だ。中等部・高等部は、年度ごとに新学年を開設していく。


初等部はGrade1-Grade5の5年間。1クラス20名x2クラスで計200名。中等部はGrade6-Grade9の4年間。1クラス20名x2クラスで計160名、そして高等部の教育はGrade10-Grade12の3年間。1クラス20名x2クラス計120名で運営される予定だ。


CHISTは、現在国際バカロレア(IB)候補校であり認定校への歩みを着実に進めている。大迫氏は、国際バカロレア(IB)の日本の第一人者であり、学校の運営には絶対的な自信を持っている。


学園全体で探究型学習の環境を提供し、未来のリーダーを育成することに取組み、”Life Long Learner”を育成することを目標として掲げている。


特に高等部では、Grade10でCritical Thinking(批判的思考法)を習得した上で、Grade11-12で、現在候補校であるIBDPに取組むことになる。


CHISTでは、生徒の学ぶことに対する姿勢とスキルを徹底的にトレーニングする。学校を案内してくれた初等部副校長のMr. Muralの生徒への"Show us what you know"という問いかけを大切にしているという言葉が心に残った。暗記することではなく、生徒が知っていること、生徒が思っていること、生徒が考えていること、を言葉にしたり、文章にしたりする。それにより生徒同士の学びが始まり、自分の頭で考える生徒になっていくという。


大迫氏は、インターナショナルスクールの使命が変わりつつあるという。従来は外国人、並びに一部帰国子女のための学校がインターナショナルスクールだったが、世界のどこにでも通じる国際標準の教育をできるだけ幅広く様々な子どもたちに提供すること、それが国境を越えて生きていくこれからの子どもたちにとって必要とされる教育であり、CHISTはその新しい使命に挑戦している学校だと力強く語る。


また大迫氏によれば、インターナショナルスクール進学を考える日本の家族は3つのグループに分けられるという。1つ目は、インターナショナルスクールを語学学校として捉えるグループ。2つ目は、将来日本の中高等教育受験に、インターナショナルスクールでの英語の習得が役立つと考えているグループ。3つ目は、インターナショナルスクールの教育方針に共感し、世界のどこにでも通じる国際標準の教育を子供に与えたいと考えているグループ。


当然ながら、CHISTで学ぶ生徒の保護者は3つ目のグループに属する人達だろう。IBプログラムを通じたCHISTの教育理念、使命に共感した保護者たちによってサポートされる学校は本当に羨ましい限りだ。


IBには「IB Learner Profile」という目指すべき以下の10の学習者像がある。


1. Inquirers

2. Knowledgeable

3. Thinker

4. Communicator

5. Principled

6. Open-minded

7. Caring

8. Risk-taker

9. Balanced

10. Reflective


生徒たちはIBプログラムを通じ、1-10のIB Learner Profileを習得していく。わかりにくいのが、5, Principled と10 Reflectiveだ。


“Principled”とは、「誠実かつ正直で、公平な考えと、正義感を持ち、人々の尊厳と権利を尊重して行動、そして自分の行動とその結果に対して責任を負う」ことだ。


“Reflective”とは、「学んだことや自分の経験を見つめ直す。そして自分の学びや成長を支えるために長所と短所を理解し評価する」ことだ。


1-10のプロファイルを習得すべく学ぶ生徒たち。CHISTではこのReflectiveをとても大切にしているとのことだった。ReflectiveなしにはIB Learner Profileの習得は難しいということだろう。


CHISTでは、日本語を学ぶことが出来る。1)日本語が母国語の生徒、2)日本語は出来るが母国語ではない生徒、3)日本語を始めて学ぶ生徒、の3つにクラス分けしている。日本の文化を学ぶ授業もあるそうだ。素晴らしい。


そうは言ってもCHISTは、日本語以外の科目を英語で学ぶインターナショナルスクールであることを忘れてはいけない。CHISTには、EAL(English as an Additional Language)の先生がいて、ニーズに応じサポートしてくれるが、入学に際しては、生徒に学年相応の英語力を求めている。CHISTの教育方針に共感する保護者にとって大切なことは、子供が小さいころから英語に触れあう環境を与えてあげるということだろう。


最初のCHISTの卒業生は、2022年の予定だが、今から楽しみだ。こういう教育プログラムで学んだ学生は、自分が好きなこと、勉強したいことを自分で見つけていくはずだ。そして世界を舞台にチャレンジするグローバルリーダーになるべく更なる学びを求め、羽ばたいていくに違いない。





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