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執筆者の写真篠原竜一 代表取締役社長

暇なときに 篠原金融塾 米ボストン地区連銀のエリック・ローゼングレン総裁

パウエルFRB議長は、インフレが低迷しており、貿易を巡る不透明感や世界経済の弱さを背景に予想以上の景気減速が起こるリスクを踏まえれば、予防的利下げを行う用意があると証言、市場では今月の利下げは確実視されている。問題は25bpなのか50bpなのか?


しかしながら、FOMCの中でも違う意見のメンバーもいるようだ。


米ボストン地区連銀のエリック・ローゼングレン総裁は、先月のFOMC以降、経済指標や経済情勢が改善していると指摘している。私もそう思う。


ローゼングレン総裁も欧州の経済活動が弱まり、中国の統計はまちまちで、貿易関税や政策の不透明感が減速に追い打ちをかけているとは言っている。同時に、今年下半期に経済が一段と弱くなると推測するのはいかがなものかと疑問を呈している。そして、「金融サイクルの現段階での利下げは、仮にそれが『リスクオン』の行動を後押しし、結果的に将来起こる景気後退のコストを押し上げることになれば、代償を伴わずには済まない」とコメントしている。


その通りだと思う。


パウエル議長の議会証言を聞く限り、7月30・31日のFOMCでの利下げは確実だ。しかしながら、FOMCのメンバーは、25bpか50bpで悩んでいるのではなく、据え置きか25bpで悩んでいるのではないでしょうか?


金融市場が混乱しているわけではなく、失業率は史上最低水準、株式市場は史上最高値近辺で推移している。FRBは過剰流動性を解消するためにFRBのバランスシート削減を継続するべき状況であるにもかかわらず、バランスシート削減は停止、FF O/N金利は、据え置きで良いはずなのに、利下げを検討している。斯かる状況下、市場参加者が、その投資行動で、リスクオンを選択するのは当然だ。


過剰流動性が市場を支えている状況であるのはセントラルバンカーも理解しているはずだ。市場を壊すのが怖くて、世界中が更なる金融緩和方向に向かっている。これでは市場が歪むのは当然だ。ローゼングレン総裁の声が他のFOMCメンバー、世界各国のセントラルバンカーに届くと良いのですが。。。

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