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執筆者の写真篠原竜一 代表取締役社長

暇なときに 篠原金融塾 日銀の4つのオプション

黒田日銀総裁が9/5に日経新聞のインタビューに応じた。米中貿易戦争の混迷が深まり、世界経済はさらに下方リスクが高まっていて、現在マイナス0.1%の短期政策金利について「深掘りは従来から示している4つのオプションに必ず入っている」と述べたそうだ。


追加緩和の具体策は、(1)短期政策金利の引き下げ(2)長期金利操作目標の引き下げ(3)資産買い入れの拡大(4)マネタリーベース(資金供給量)の拡大ペースの加速、の4つ。


伝統的な金融緩和は、短期政策金利を引き下げることだ。金利の下限が近づき、資産買い入れを実施、資金供給量を増やす量的緩和を実施。これ以上の量的緩和に限界が近づき、長期金利を操作目標にし、イールドカーブ全体をコントロールすることを中心に金融政策を実施している。


このような異次元緩和を日銀は6年半も続けている。リスク資産は大幅に上昇した。


それでも世界経済の下方リスクから日銀が更なる政策を迫られている。多くの人にとっては株価が上昇し、何となくよくなったのだろうなあとは思うものの、景気が良いとか悪いとか実感のない6年半。これからも利上げをしないといけないような景気の過熱感を感じることはなく、またひどい不景気も感じることもないだろう。


日銀による追加緩和による景気押上げ効果は限定的であることは誰もが感じている。そんなことは皆わかっているはずだが、今やらないといけないことは、金融緩和ではない。ただでさえ世界中の過剰流動性が支えているリスク資産を更に押し上げることによる市場の歪みは更に大きくなり、より大きな混乱につながるのではないでしょうか?

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