暇なときに 篠原金融塾 これからのグローバルマーケット

米中貿易戦争、ドイツ、中国の減速、ブレグジット、中東情勢などから、精彩を欠いた経済成長が続きそうだ。本来であればリスク資産は調整すべきである。しかしながら、株式市場が売られると日米欧の中央銀行は直ちに行動する。これからも更なる金融緩和政策が実施されそうであり、リスク資産は支えられ、大きな景気後退は考えにくい。


これだけ長い期間経済成長が続いていると、どこかの段階で世界的な景気後退入りが起こるはずだ。通常のケースは、景気が良くなってくると過剰に人を雇い、過剰な設備投資を行い、結果として過剰な在庫が生まれる。しかしながら、何となくぱっとしない経済成長が続いてきたということで、過剰人員、過剰設備、過剰在庫という状況にはなっていない。歪みが大きくないということだ。従って、景気後退も浅いと考える向きが多い。景気過熱もなければ大不況もないという状況だ。


それでは、今一番歪んでいるもの、その歪みを作りだしているのは何だろう?


株式市場、社債市場を代表するリスク資産だ。そして皮肉なことにその状況を作り出しているのは金融政策だ。低金利を背景に世界中の投資家が利回りを求めてよりリスクの高い資産へシフトしている。仮に主要な市場で大きな調整が起きた場合、その影響は非常に大きなものになるだろう。リーマンショック前のモーゲージ市場ほど酷くはないが、これからも低金利政策が続き、過剰流動性がリスク資産を支える状況が続けば同じようなことが起きるだろう。利回り追求をすべき時ではない。


MMTを唱える経済学者もでてきたが、私はとんでもない話だと思う。今でも過剰流動性が市場に溢れているというのに、今まで以上に金を刷ってどうするというのだろう。低金利環境下で、財政規律が失われ、破綻に繋がりかねない。専門家に聞くと財政赤字を主因に破綻する先進国はないという。徴税権があるからだというが、結局はつけを将来に先送りにする政策だ。国家予算を見ると日本の歳入は歳出の60-65%しかない。毎年赤字は増えている。これを続けていることだけでも既に大きな問題だ。アクデミックには専門家が言うことの方が正しいのだろう。しかしながら、30-35年後に1億人を下回るペースで人口減少が続いている日本で導入すべき政策ではない。人口減による悪影響を相殺する為に効果的な政策が金融政策ではないことは明らかだ。


大きく世界経済が減速するとすれば、世界中で起きている大衆迎合的な運動がきっかけになるだろう。グローバリゼーションの反動だ。関税合戦、保護主義、移民排斥などグローバリゼーションの流れを政治的に押さえつける政策は世界経済に悪影響を与える。既に国境のない仕組みが成り立っている経済システムを破壊することに繋がる大きな問題だ。


そうは言っても、 当面リスク資産は中央銀行による追加緩和により支えられるので大きな調整はないでしょう。むしろ、米中通商協議がまとまるという話がでてくるたびに株式市場は上値を試すこともあるでしょう。しかしながら、歪みは大きい。債券市場でも政策金利が下がることはあっても上がることはないので、そんなに怖がる必要はないのかもしれません。 それでも今は利回りを追求すべき時ではないと思う。 もう二度とリーマンショックのようなマーケットは見たくありません。


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